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まどかは、日本の女性アイドル、タレントである。女性アイドルグループ・manimaniのメンバー。AM PRODUCTION所属。 まどか 本名 吉野円 誕生日 6月11日 出身地 日本・東京都 血液型 O 身長 162㎝ 活動 デビュー 2■■1年 所属グループ manimani 活動期間 2■■1年- 事務所 AM PRODUCTION 略歴 2■■5年、テレビで女性アイドルグループ・メイプル少女のパフォーマンスを見てアイドルを夢見るようになる。 2■■0年、「七色星4期生オーディション」の最終選考に残り、生配信に参加するが落選。同年、配信アプリ・MOMOLIVEにて配信活動を始める。 2■■1年3月、AM PRODUCTIONのオーディションを受け、合格。同年9月1日に女性アイドルグループ・manimaniに所属することを発表し、9月26日にお披露目ライブ「ManyManyLove」にてデビューした。 人物 趣味は食べ歩きとSNS。池袋でスイーツを1日6軒はしごしたことがある。好きな食べ物は肉料理、甘いもの全般。 前述のメイプル少女のファンであり、伊藤百合推し。 声優の会田奈古と親しい。 発言 自己紹介 「はい!まにまにのピンク担当まどかです!名前呼んでくださーい!せーの!」(オタク「まどかちゃ~~ん!」)「ありがとうございますよろしくお願いしまーす!!」
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(ところで暁美さん。この後私の部屋で大人しく治療されるのと、鹿目さんに怪我の具合を知られて部屋まで付き添われて介抱されるの、どっちが良いかしら?) 廃ビルでの和解の後、目当ての使い魔は既にほむらによって倒されている事を知らされた直後に、 マミがそんな問い掛けをテレパシーで飛ばしてきたものの、ほむらには選択の余地があろうはずもなかった 「貴女たち、寄り道せず真っ直ぐ帰るのよ~」 にこやかに後輩二人に手を振るマミとは対照的に、別れ際のまどかの寂しげな表情が気になったほむらは、 その事が頭から離れず、マミの部屋についてもどこか心ここにあらずといった様子だった 「ごめんなさいね、少し意地悪なやり方だったけど。ああでも言わないと素直に部屋に来てもらえないと思って。・・・暁美さん?どうしたの、ぼぉーっとして。もしかして緊張してるのかしら」 「あ、はい。・・・いえ、そんなことは」 マミの問い掛けに意識を現実に引き戻され、どこか間の抜けた返事をしてしまう 「さっきまでとは随分雰囲気が違うのね。どっちが本当の貴女なのかしら?さ、怪我を見てあげるから。服を脱いで?」 (巴さんに治療してもらうのも久しぶりね・・・) などと感慨を抱きながら言われるままに服を脱ぎ始めるほむらとは対照的に、 マミは目の前に晒されたその病的なまでに白い肌と、細すぎる体のラインに驚きを隠せなかった 「素直ね。・・・あら、貴女・・・本当に細いわね。何か病気でも患っていたのかしら」 「・・・はい。元々心臓が弱かったので、魔法少女になる前はずっと入退院を繰り返していました」 「そう・・・さすがに表面は完治してるし、見た目じゃわからないか。どこか痛むところはある?」 「・・・両脇の肋骨がたぶんまだ折れたままですね。あとは少し血が足りてないくらいで、問題ないです」 「じゃあじっとしててね。治癒魔法をかけるわ。完治とまでは行かなくても、かなり楽になるはずよ」 下着姿のほむらのわき腹に触れ、治療を始めるマミ。少し痛むのか、かすかに声を上げるほむら 「ん・・・」 その苦痛に耐える表情がどこか色っぽく感じてしまい、何かいけない事でもしているような錯覚を憶えてしまう 「・・・終わったわ。少しは楽になったはずよ」 「わざわざすみません。さっきも少し話したように、私は『能力』が特殊なだけで、魔法少女としては力の弱い方なので・・・怪我の治りも遅いんです」 「そう・・・。もし差し支えなければ、その『能力』のことについて、聞いてもかまわないかしら?」 (遅かれ早かれ知られることだし、明かした方が信用は得られやすいか・・・) 「えっと・・・時間停止って言えばわかるでしょうか?時を止めて、その中で私だけが動く事ができます」 その言葉に、わずかに息を呑むマミ 「道理で・・・敵わないはずね」 リボンの結界が全て同時に切断された事を思い浮べる 「それじゃあさしずめ、私はまな板の上の鯉ってわけか。貴女が言っていたように、その気になればいつでも・・・ってわけね」 ほむらの瞳を覗き込みながら、その真意を推し量ろうと言葉を投げかける 「いえ、決してそういうわけでは。構えていないと咄嗟には発動できないので、不意を突かれるとだめですし。そもそも変身していないとあの力は使えないんです」 「今は安心ってわけね。でもいいのかしら、そんな大事なことを話してしまって。・・・私がその気になれば、さっきの仕返しが出来るってことよね?」 「そうですね。今巴さんに襲われたら、私は何もできません」 平静を装ってそんなセリフを言うほむらだが、マミの目からはどこかおびえているように感じられた その言葉を確かめるかのように、その華奢な背中に右手を伸ばし、人差し指でつーっとなぞると、ぴくりと一瞬身体を振るわせる 「・・・腹の探り合いとか、そういうのは苦手なので。それなら正直に話してしまった方が良いかなって・・・」 「暁美さん、随分イメージと違うのね。もちろん良い意味でだけど。そうね、信頼には信頼でこたえるべきよね。それじゃあ私の能力についても話すけど。いつまでも立ち話もなんだから、とりあえず適当に座って待ってて?紅茶でも入れるわ」 「はい・・・ありがとうございます」 どこか楽しげにキッチンで準備をするマミを流し見ながら、感慨にふけるほむら (まさかまたこの部屋に足を踏み入れる事になるなんてね・・・) 「それで・・・話って何かしら」 放課後さやかに屋上に呼び出されたほむらは、用件を薄々は察しつつも、そう聞き返した 「アンタ・・・一体どういうつもりよ?人が良いマミさんは騙せても、私の目は誤魔化せないんだからね!」 同じ魔法少女であるマミに対しては、決闘で勝利した事によってなんとか和解に持ち込めたほむらであった しかし、目の前の勝気で思い込みの激しい少女に対しては、複雑な感慨を浮べるだけでうまく懐柔する手立てが浮かばないでいた (はぁ・・・嫌われたものね。どうしてこうなったのかしら・・・) 確かにキュゥべえを襲っているところを見られてしまい、挙句、先日はまどかを傷つけたと誤解された経緯はあった しかし、前者は一般人であるさやかには何の関係もない事であるし、後者だってまどかの説明で誤解だと証明されたはず それなのに、どうしてこの子はこんなにも私に食って掛かるんだろう・・・ 「どういうつもりも何も、私はこの街を守りたいだけよ。・・・貴女たちを巻き込まずにね」 「そんな話、はいそうですかって信じられると思うの?・・・とにかく、これ以上まどかに近づくんじゃないわよ」 売り言葉に買い言葉で返そうかとも思ったほむらだったが、まどかの言葉を思い出してなんとか踏みとどまる 『これ以上ほむらちゃんがさやかちゃん達と喧嘩してるの、見てられないよ・・・』 (まどか、私はどうすれば・・・) 「何か企んでるってバレバレなのよ。転校してきたばっかのアンタにそんなこと言われても、信用できるわけないじゃん」 (転校してきたばかり・・・確かにそうね。信じてもらえないのも無理はないか・・・) その言葉に、まだほむらが魔法少女ではなかった頃の、転校当時を思い出す (まどかの次に話しかけてくれたのはこの子だったわね・・・クラスの女子に陰口を言われて、私のことは良いからって止めても、馬鹿みたいに突っかかって行ってくれた事もあったっけ・・・) さやかがかつて自分を庇ってくれる側の人間だった事を思い出すと、自業自得とは言え、こうして責められているのが堪らなく悲しくなる 「・・・そうね、たしかに私は転校してきたばかりだわ。信用して・・・なんて言っても無理な話よね」 (こっちが信用してもいない相手から、信じてもらえるはずない・・・か) 「でも私は貴女を信じるわ、美樹さやか。貴女は転校してきたばかりの怪しい魔法少女から、親友のまどかや巴マミを守りたいだけ。そうでしょ?」 「・・・そうだけど、アンタ何言ってんの?」 「だから私は貴女を見込んで、頼みたいことがあるの」 指輪の形だったソウルジェムを宝石に変え、さやかに向かって掲げる 「私のソウルジェムを、今から放り投げるわ。だから、その後の事をお願いしたいの」 「は?わけわかんないんだけど、アンタ一体・・・」 「良いから聞いて。私がこれ以上魔法少女を増やしたくない理由の一つ。魔法少女はね、契約すると魂を抜き取られてこの宝石に姿を変えられるわ。だから今話しているこの身体は、外付けのハードウェアってわけ。そしてソウルジェムが身体を動かせる有効範囲は・・・おそらく百メートル無いんじゃないかしら。だからここから見えるあの池だと範囲外ね」 柵に近寄り、そこから見える中庭の池を指差すほむら 「こんな私でも、死ねばあの子は泣くと思うから・・・あとは頼んだわ。美樹さん」 呆気にとられているさやかが止める間も無く、右手で軽やかにソウルジェムを放り投げてしまう 「わけわかんないわよ!アンタ何やって・・・え!?」 中庭を向いて立っていたほむらが糸の切れた人形のように柵に向かって崩れ落ちるのを見て、あわてて駆け寄るさやか 「ちょっと転校生、冗談でしょ?・・・・・・死んでる!?」 抱き起こしたほむらが瞳孔を開いたまま、息もせず心臓も止まっていることを確認して、蒼白になる 「何よこれ・・・どういうことよ!?」 (今すぐ屋上に来て頂けませんか。そこに美樹さんが居るので話を聞いてあげてください。後のことはお願いします) マミがテレパシーで一方的にそう告げられたのは、教室で帰宅準備をしていた時のことだった (あの子たちにも困ったものね。もうちょっと仲良く出来ないのかしら) どうせ喧嘩の仲介か何かだろうと、呆れ顔で屋上に上がったマミが目にしたのは、蒼白になったさやかと、先日パートナーになったばかりの 後輩の変わり果てた姿だった 「マ、マミさん!大変なんです、コイツ・・・いきなり死んじゃって」 「え?・・・暁美さん、変な冗談はやめて?」 膝をついたさやかに抱かかえられているほむらに手を伸ばし、呼吸と脈を確かめ、顔を青くするマミ 「・・・うそ。どうして暁美さんが死んでるの?・・・美樹さん、一体何があったの?」 「話があるからって、コイツをここに呼び出して・・・そしたら転校生のやつ、ソウルジェムがどうのこうの言って、後は任せたっていきなりここから中庭の池に放り投げたんです」 「ソウルジェムを投げ捨てたの?・・・それでどうしてこんなことに」 (たしかに暁美さん・・・ソウルジェムは魔法少女の命だから大事にしてとは言ってはいたけど・・・) 「中庭の池って、ここから見えてるあれのことよね?」 「はい、あの池に向かって投げました」 「・・・美樹さん、暁美さんのことお願いね!」 (はぁ・・・やっぱりほむらちゃんの用事って、マミさんとなんだろうなぁ) マミと和解して以来、ほむらの態度は幾分かやわらかくなったものの、マミに向けられるそれは まどかに対するものよりも、打ち解けたもののように見受けられた (仕方ないよね・・・私なんて何の力にもなれないし、マミさんは同じ魔法少女だもん・・・。それに、マミさんも嬉しそうだったな・・・) 再び大きなため息をついた後、とぼとぼと正門へと向かう廊下を歩いていたまどかの目に、血相を変えて走るマミの姿が映る 「マミさん、そんなに慌ててどうしたんですか?」 「あ、鹿目さん・・・なんでもないの。ちょっと用事があって。ごめんなさいね?」 「え?マミさん?・・・行っちゃった」 ?マークを頭に浮べながら去っていくマミの後姿を目で追っていると、なんと中庭の池に飛び込む様子が見えた (マミさん何やってるんだろう・・・絶対変だよね。ほむらちゃんはどうしたんだろう・・・) 「・・・むらちゃん!・・・ほむらちゃん!」 「・・・まどか?」 屋上で意識を取り戻したほむらの目に飛び込んできたのは、胸にすがって泣くまどかの姿だった 「良かった・・・目が覚めたんだね。本当に良かった・・・」 「まどか・・・」 上半身を起こすと、まどかの髪をやさしく撫でるほむら 「呼ばれてきてみたら、暁美さんが死んでるんだもの・・・本当に驚いたわ」 「アンタね・・・馬鹿でしょ!?なんでいきなりあんな事したわけ?私が知らん振りして帰ってたら、アンタあのまま死んでたじゃない!」 「貴女を信じるって言ったでしょ?それに一応保険もかけておいた。巴さんにも来てもらうように言っておいたから。大したことじゃないわ」 事も無げにそんなセリフを吐くほむらの様子に、カチンと来たさやかは詰め寄って襟元を締め上げる 「その態度が頭に来るって言ってんのよ!アンタ何様のつもり?何もかも計算どおりって顔しやがって!冷たくなったアンタを見て、まどかがどれだけ取り乱したか見せてやりたいわよ!」 「やめてさやかちゃん!・・・お願いだからもう喧嘩しないで・・・。本当はもうさやかちゃんもほむらちゃんが悪い子じゃないって、わかってるんでしょ?・・・お願い・・・もうやめて・・・」 俯いたままポタポタと大粒の涙をこぼし、さやかに縋りつくまどか その様子を呆然と見守るほむら 「まどか・・・」 「ほむらちゃんも・・・どうしていつもこんな無茶ばっかりするの?自分のこと、そんな風に粗末にするのはやめてって言ったよね?・・・ほむらちゃんの事心配してる人だって居るんだよ?どうしてわかってくれないの・・・」 「まどか・・・私は・・・・」 上目遣いに見つめられての静かな訴えに、まどかの感情が移ったのか、ほむらの頬にも熱い涙が伝い始める 「え・・・私、どうして泣いて・・・やだ、止まらない・・・」 (ほむらちゃんが泣くなんて・・・今まで無理してただけで、きっと何か辛い悩みを抱えてるんだね・・・) 「ほむらちゃん・・・無理しなくていいんだよ?」 そんなまどかの何気ない一言をきっかけに、堰を切ったように感情を溢れさせる 「うぅ・・・私、みんなを危険に巻き込みたくなくて・・・。でも、みんなから冷たく当たられるのも辛くって・・・こんな方法しか浮かばなくて・・・。ごめんなさい、鹿目さん、美樹さん・・・それに巴さん」 まさに青天の霹靂とも言えるほむらの泣き顔に、それを見守っていた三人は、声を掛けるのも忘れて見入ってしまった 「ごめんなさい・・・急に泣いたりして・・・ぐすっ」 「あはは、アンタでもそんな顔するんだね・・・」 (泣いてるほむらちゃんも綺麗だな・・・) 思わずそんな感想を浮べてしまったまどかも、ここぞとばかりにほむらを抱きしめ、髪を撫でる 「ううん、やっぱり無理してたんだね。気付いて上げられなくてごめんね?」 そうして一分ばかりまどかの腕の中で泣いていたほむらであったが、マミの何か物言いたげな視線に気がつくと、ハンカチで顔を拭って立ち上がり、軽く後ろ髪を払って何事もなかったかのように言い放つ 「少し疲れていたみたいね・・・取り乱してしまったわ。見苦しいところを見せてしまってごめんなさい」 (あぁ、戻っちゃった・・・) 「美樹さん、今まで貴女に不快な思いをさせていたことは謝るわ。でもこの街を守りたいのも、貴女たちを巻き込みたくないっていうのも本当なの。まどかを守るために側に居ることは認めて欲しい」 「あんた・・・その変わりようは何なのよ。まぁいいわ・・・私だってこれ以上まどかを悲しませるのはごめんだもん。でも、今度まどかを泣かせたら許さないからね」 「さやかちゃん・・・」 「ええ、努力するわ・・・。そして巴さん。私にソウルジェムについて聞きたいことがあるんでしょう?」 「え、えぇ・・・その・・・」 「でもその事についてなら、私より直接あいつに聞いた方が良いと思うの。・・・いるんでしょう?出てきなさいキュゥべえ」 To Be Continued
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「随分無茶をするんだねキミは。たしかにソウルジェムの秘密に気がついた子が居なかったわけじゃないけれど、自分から投げ捨てるような真似をするのは初めてみたよ、暁美ほむら」 ほむらの呼びかけに応じる形で、屋上の入り口の一番近くに居たマミの側に、蜃気楼が立ち込めるように白いぬいぐるみが現れる 「うぉ!?・・・キュゥべえ、あんたいきなり現れないでよ。つーかその登場の仕方、怪しすぎなんだけど」 「キュゥべえ・・・一体これはどういうことなの?」 現れた『大事なお友達』に、怪訝な表情を浮べて問い質すマミ 「どういうことも何も見た通りさ。彼女の言っていたように、ソウルジェムは魔法少女の魂で肉体は外付けのハードウェア。だからさっきみたいに本体から離れすぎるとコントロールが利かなくなってしまうのさ」 「そんな!・・・そんなこと、聞いてないわ」 「知らなくても何の不都合もないからね。普段は当然肌身離さず持ち歩いてるんだから、こういう事故は滅多にあることじゃないんだ。それにキミはデメリットばかりに目が行っているようだけど、 むしろメリットの方が遥かに大きいんだよ?魔力をより効率的に運用できるし、ソウルジェムが砕かれない限り、肉体が死のうと魔法少女としての死には繋がらないからね」 「・・・だからってこんなの・・・誰も頼んでないわよ!」 裏切られたような表情を浮かべ、キュゥべえをみつめるマミ その様子はまどかやさやかが今まで見たことがない、優しい先輩とはかけ離れたものだった 「マミさん・・・」 (巴さん・・・やっぱりショックは隠しきれないか。まさかアイツの弁護をするはめになるとはね) 「落ち着いて巴さん。そいつの言う通り、この事は私たち魔法少女にとっては有利に働くことの方が多い。痛覚を制御したり・・・あの時まどかを庇った私がああやって立っていられたのは・・・いいえ、 そもそも傷を負いながらまどかを庇い続けられたのも、魂が肉体から分離できていたお陰です。そうじゃなかったら、きっと最初の一撃で痛みの余り気を失っていたか、まどかを離していたでしょうね」 マミの両肩に手を置き、静かに諭すほむら 「でも!・・・これじゃあ私たちは・・・」 「それに私の祈りは・・・肉体をズタズタにされた程度のことで立ち止まってはいられないんです」 どこか遠くを見るような目で語るほむらと、その表情を見上げて言葉を失うマミ そんな二人の心中も知らず、淡々と続けるキュゥべえ 「たしかに痛覚を制御出来るのも大きなメリットだね。でも完全に痛みを消してしまうと動作が鈍るからお勧めはしないよ。それにそもそも、交通事故で死に掛っていたマミに選択の余地なんて無かったじゃないか。 あのまま死んでしまうよりずっとマシだったはずだろう?それに暁美ほむらに至っては、ボクは契約した覚えすらないんだけど。それで文句を言われるのは納得がいかないよ」 「キュゥべえアンタ・・・ほむらが力づくでもまどかや私に近づけまいとした訳が、ちょっとわかる気がしてきたわ。お前・・・他にも魔法少女について私たちに隠してることがあるんじゃないでしょうね?」 かつてのマスコットに対するような態度とは一転させて、鋭い目つきで問い質すさやか 「そんなことを言われても、ボクが知っていて君たちが知らない知識なんてたくさんありすぎてどれを指しているのやら。具体的に指摘してもらわないとわからないよ。 さしあたって知らないと困るような事は、全て教えているつもりだけね」 ほむらはそんなことをのたまう白い小動物を一瞥すると、静かに言い放つ 「・・・聞くだけのことは聞いたわ。消えなさい」 「やれやれ・・・君たちはいつもそうだね。事実をありのままに伝えると、決まって同じ反応をする」 キュゥべえは首を左右に軽く振ると、出てきた時と同じく霞のように消えてしまった 結局、その後は三人で付き添ってマミを自宅まで送り届けることになった 思い思いに慰めの言葉をかけるさやかとまどかと、静かにマミの右手を握り続けたほむら 別れ際にはなんとか平静を取り戻したようには見受けられたが・・・ 更にその後、三人で途中まで帰宅する間に、まどかとさやかに釘を差すほむら 「ああいう事はなってしまった後だから言えるのよ。貴女たちが魔法少女に対して変な幻想を抱くのはやめなさい」 「・・・上げたり落したり、アンタも苦労性ね。んー?あれかー?転校生はツンデレキャラってやつか?・・・そう考えると、なんかアンタのやってた事が可愛く思えてくるわね」 「? 何を言っているの?美樹さやか」 「あんた実は良いヤツだから、今までごめんねって言ってんの」 そんなセリフをまくし立てながら、照れ隠しにほむらに抱きついて腰周りに手を伸ばすさやか 「な、貴女何をしているの?」 「んー?スキンシップ?悔しいけどアンタ容姿は最高だもんね、性格はちょっと捻くれてるけど。なんならさやかちゃんの嫁にしてやってもいいんだよ?へへっ」 「もー!さやかちゃんほむらちゃんに変なことしちゃだめだよ。今まであれだけ意地悪言ってたくせに、調子良いんだから」 呆れ顔で物申すまどかに黒髪の少女の腰を抱いたまま近づくと、空いた左手で抱き寄せるさやか 「ジェラシーかぁ?心配しなくても本妻はまどかだから安心しなって。あー、それかこの場合はむしろアタシに嫉妬してるのか?可愛いやつめ~うりうり」 左腕に抱えたまどかと右腕に抱えたほむらをまとめて抱きしめる 「さ、さやかちゃん・・・何言ってるの?(あわわ、ほむらちゃんの顔がこんな近くに・・・)」 (この子なりにまどかを心配して空気を明るくしようとしてくれているのかしら・・・) さやかのハグから抜け出すと、軽く髪を整えて、静かに呟くほむら 「お陰さまでさっきまでの気まずさはなくなったわ。ありがとう、美樹さん」 「へ!? ・・・なんのことやら?ははは・・・。んじゃ、私はここで別れるわ。ちょっと寄るところがあるし。ほむらはこの子を家まで送ってやって?じゃーねー」 「・・・さやかちゃんったら、ほんと一方的なんだもん・・・ごめんねほむらちゃん。あはは」 逃げるように去っていくさやかを見送って、苦笑を浮べるまどか 「彼女・・・やっぱりお見舞いに行くのかしら」 「え・・・多分そうだと思うけど。よく知ってるね」 「・・・奇跡には重い対価が付き物なの。変な事を考えなければ良いけれど」 小さくなっていくさやかの背中を見送りながら、まどかには聞こえない小さな声で呟いた 「それであの・・・さやかちゃんのごめんなさいついでなんだけど。さっきはあんな生意気なことを言ってごめんね?」 通学鞄の紐を両手で弄って歩きながら、少し俯いて語りかけるまどか 「? どれのことかしら」 「えっと・・・屋上でその・・・ほむらちゃんがさやかちゃんと仲直りしたくて計算してやったことなのに、取り乱して・・・その」 「その事なら気にしなくて良いわ。あんな方法しか浮かばなかった私に非があるし。・・・それに、ああいう風に言ってもらえて嬉しかったから・・・。きっとあの言葉も巴さんには慰めになったでしょうね」 「それなら良いんだけど・・・それじゃあ、さやかちゃんと仲直りしてくれてありがとうね」 「・・・どう致しまして。正直、私も少しほっとしたわ」 「うん・・・あ、それとまたマミさんの事も慰めてあげてね?私たちから言うより、ほむらちゃんからの方がマミさんも嬉しいだろうから・・・」 浮べた笑顔を一転、少し曇らせながら呟くまどか 「そうね。私と彼女はこの町で二人きりの魔法少女だから・・・。でもきっと大丈夫よ。彼女は強いもの」 「・・・そうだほむらちゃん。あのね、今から時間ある?」 「ええ、まだ明るいし少しなら大丈夫だけれど」 「あのね、今まで何度も助けてもらったお礼に、ケーキをごちそうしたいの。ちょっと通り過ぎちゃったけど、美味しいケーキ屋さんまで付き合ってもらえないかな?」 (これ以上まどかと親しくするべきではないけれど・・・) この後立ち寄るであろう、マミの部屋でのやり取りを考えると気が重く、またまどかのささやかな願いを断るほどの強い意志は、今のほむらには残されていなかった 「そう・・・ありがとう。お言葉に甘えるわ」 「だめね、開かないわ・・・」 変身したほむらは薄暗く狭いエレベーターの中で、分厚い扉を開けようと中央の隙間に両手を掛けて左右に懸命に引くも、びくともせずに大きく息を吐いた 「どうしよう・・・まさか閉じ込められちゃうなんて」 ショッピングモールのカフェでケーキを楽しんだ後、帰宅するために1Fへと続くエレベーターに乗り、閉じ込められてしまった二人 (重火器や爆弾を使えば開けれなくはないけれど・・・それだとまどかに危害が及ぶ上に、あとでやっかいなことになりかねないわ・・・お手上げね) 「ごめんなさい、私の魔法少女としての力が足りないせいだわ。きっと巴さんや他の子なら、これくらい難なく脱出出来るんでしょうけど・・・」 変身を解いて、念の為にもう一度非常回線のインターホンを確認しながら呟くほむら (私は無力ね・・・こんな些細な事からもまどかを守れない・・・) 「そんな、ほむらちゃんのせいじゃないよ。・・・だめだ、携帯も電波が通じないや」 「・・・かすかに使い魔の気配を感じたから、おそらくこのエレベーターの周りが結界に取り込まれたんでしょうね。電気も電波も通じてないし」 「どうにかならないの?マミさんにテレパシーで助けを呼ぶとか・・・」 「さすがにここから巴さんのマンションまでは届かないわね。普段の彼女なら、使い魔の気配に気が付いて助けに来てくれるでしょうけど・・・」 別れ際の覇気の無いマミの表情を思い浮かべ、ため息をつく (魔法少女の気配に気付かずに結界に巻き込むような使い魔じゃ、あっちから出向いてきてくれることもないか。・・・これは長引くかもしれないわね) 「うん、きっとマミさんが助けに来てくれるよね・・・」 「今私たちに出来る事は・・・極力何もしない事ね。じっとして、助けを待ちましょう」 壁際の床に通学鞄を置くと、その上に体育座りで腰掛けるほむらとそれに習うまどか 『なるべく喋らないようにして、呼吸をする回数も減らしましょう。長時間閉じ込められれば窒息する可能性も出てくる。喋れないのは辛いし、こうしてテレパシーで話しかけてくれてかまわないから』 『うん・・・ありがとうほむらちゃん』 右に寄り添って座るまどかの不安を和らげようと、髪を優しく撫で、その小さな左手を握って魔力で意思を伝えるほむら そんな黒髪の美少女に甘えるように、寄りかかるまどか そしてその体温に触れた時に、鼓動が不自然なほど遅い事に気が付いてしまう 『ほむらちゃん?なんだかほむらちゃんの身体が冷たくなってるような・・・それに心臓も遅くない・・・?』 『・・・ええ、酸素の消費を抑えるために身体の機能を最低限を残してカットしているから。それでも息苦しくなってきたら言って。完全にOFFにして10分に1回ほど魔力を送って動かすようにするわ』 『それってまさか・・・また』 『大丈夫よ。仮死状態にするだけだし、意識はソウルジェムの方で管理するから話すことは出来る』 「だめだよ!また私のせいでほむらちゃんがあんな風になるなんて・・・そんなの絶対だめっ!」 屋上で瞳孔を開いたまま冷たくなって動かない、変わり果てたほむらの姿を思い出し、思わず声を上げてしまうまどか 『落ち着いて。待機電力を節約するために、テレビのコンセントを抜くようなものよ。動かそうと思えばすぐに動かせるから』 『でも・・・』 『これは自分を粗末にするわけじゃないわ、貴女を守るために必要なことなの。それに巴さんにあんなえらそうなことを言っておいて、ここから出られないのもまたまどかを巻き込んでしまったのも、私の力が及ばないせいだから』 『ほむらちゃん・・・』 ほむらに大きく寄りかかったまどかは、腕の中に顔を埋めてその華奢な身体を強く抱きしめる まるで冷たくなっていく愛しい人の体温を、少しでも温めようとするかのように しばらくそうして抱き合ってから、かすかに聞こえるやさしい鼓動とほのかに甘い香りに包まれて、心を落ち着けたまどかは 冷静になって胸に顔を埋めるような体勢を取っている事に気が付き、赤面して距離を取った 『ご、ごめんね。ずっとあんな体勢で重かったよね?』 『平気よ、身体の感覚は殆どカットしていたから重さも感じないもの。夜になって冷えてきたのね、寒いならこの身体は貴女の好きに使ってくれてかまわないわ』 『え・・・あはは、女の子がそんなこと言っちゃだめだよ、ほむらちゃん』 ほむらの言い回しにドキっとしたまどかは、苦笑しながら雑念を払うも、肌の感触が恋しくなって左手を繋ぎなおす 『あのねほむらちゃん・・・どうして出合ったばかりの私にこんなに優しくしてくれるの?』 『・・・別にやさしくしているつもりはないのだけれど。魔法少女である私が一般人の貴女を守るのが、そこまで不自然かしら?』 (まるで巴さんみたいな正義の魔法少女のセリフね。・・・私なんかが) でも学校では他の子に話しかけたりしないよね・・・と続けようとして、まどか自身もほむらから話しかけられる事は殆どなかった事に気が付く (・・・そっか、そうだよね。ほむらちゃんはやさしいベテラン魔法少女だもんね。私だけ特別なわけないよね・・・) そしてマミに対してだけ時折見せる、打ち解けた表情を思い出して言葉を紡ぐ 『でもマミさんとは仲直りしてから親しげだよね?・・・まるで昔からの知り合いだったみたいに見えたもん』 『・・・気のせいよ。彼女とは利害の一致から組んでいるに過ぎない』 『えぇ・・・そんなことないよ。マミさんも、ほむらちゃんの事を話すときは嬉しそうだったし』 『・・・彼女はずっと一人でこの街を守ってきて、魔法少女の仲間が欲しかったのよ。パートナーを組めるなら誰が相手でも喜んだでしょうね』 かつてマミが契約したまどかと楽しげにしていたことを、同じように羨ましく思っていた事が頭をよぎる 『・・・どうしてそんな冷たいことを言うの?』 『私はきっと、貴女が思っているよりずっと卑怯で醜い人間よ・・・』 『そんなことないよ・・・ほむらちゃんは・・・』 そんな時、遠くからかすかに幼児が叫ぶような声が聞こえ、薄暗かった密室の電灯が点滅し、緊急停止していたエレベーターに電気が通い始める 「あれ・・・動き出した」 状況の変化を確認すると、停止させていた肉体に意識を戻し、立ち上がって軽く伸びをすると、1Fのボタンを押すほむら 活動を再開したエレベーターは静かな機械音と共に動き出し、チーンと到着を告げる音がしてあっさりと外界への扉が開かれた 「出られたわね・・・使い魔が移動したのかしら」 外に出ると周囲の様子を注意深く確認し、不自然なほど人気を感じない町並みを見渡す すると、学校へと続く道路の方から見慣れた羽帽子と黄色い衣装が目に映った 『巴さん、来てくれたんですね・・・助かりました』 『あら、貴女たち・・・』 少し離れた場所から魔力で視力を強化した瞳で、遠ざかっていく使い魔の結界とエレベーターの中から顔を覗かせるまどか、それを守るように立つほむらを見つけ、 薄々事情を察したマミが駆け寄ってくる 「マミさんやっぱり助けに来てくれたんですね、ありがとうございます」 「私は使い魔を追ってここにたどり着いただけよ。何匹かは倒したんだけど、数が多くて半分くらいは逃げられてしまったわ。追わないと」 「じゃあほむらちゃん、私の事は良いからマミさんを手伝ってあげて?」 「でも使い魔は鹿目さんの家の方角へ逃げたのよ・・・今一人で帰るのは危険ね」 マミの状況説明を聞いて、少し思案したほむらはまどかの小さな身体を抱き上げた 「わっ!?・・・ほむらちゃん?」 「使い魔を追うついでに送るわ。どうせ向かう方向は一緒だもの。しっかり捕まってなさい」 「あらあら、お姫様抱っこで追いかけっこだなんて、まるで映画みたいで素敵ね?鹿目さん」 「あははは・・・」 今日はよく抱きしめたり抱きしめられたりする日だな、なんて場違いな感想を浮べて頬を染めるまどかであった 「大丈夫暁美さん?・・・本当にごめんなさい。完全に私のミスだわ・・・」 使い魔の群を追いかけ、追い詰めたほむらたち そしてまどかをマミの結界で守りつつ、互いに背を預けて空中から飛びかかる使い魔を相手にしていた しかしギャラリーが居た為か、昼間の屋上での一件が尾を引いていたのか、どこか集中を欠いていたマミは側面から襲い掛かる一匹の使い魔に気がつけなかった 四方を油断無く見張っていたほむらは、咄嗟にそんなマミを突き飛ばして庇うも、身代わりにわき腹を貫かれてしまったのであった 使い魔を倒し終わった後、傷を案じるまどかを帰らせるのに苦労したのは言うまでも無かった 「いえ、私の判断も悪かったですから・・・気になさらないでください。それに怪我も治していただきましたし」 治癒魔法による治療が終わり、捲った服の裾を戻しながら答えるほむら 「そんなの・・・私のせいなんだから当然よ。力になるどころか足を引っ張って貴女に怪我まで負わせてしまうなんて・・・これじゃパートナー失格ね」 「どうせ私の身体なんて魔女を殺すための道具に過ぎないんですから。魔力が尽きない限り勝手に治るんだし、気に病む必要はないです」 そんな不器用な後輩らしい慰めの言葉を聞いて、その華奢な身体を改めてまじまじと見つめるマミ 「・・・私にはそんな風には割り切れないわ。暁美さんはとっても綺麗ですもの」 「ふふ、ありがとうございます。そういう巴さんこそとても素敵だと思います。ですから、昼間の事なら気になさらないでください。結局考え方一つだと思いますから。 巴さんは今までこの街を守るために頑張ってこられたんでしょう?それなら何も後悔するようなことはないはずです」 その言葉に弱々しい笑みを返すマミ 「・・・そんな風に慰めてもらえるなんて・・・なんだか調子が狂うわね。今までずっと一人だったから・・・」 「はい、巴さんはもう一人じゃありません。だから私のせいにしてくれてかまわないんですよ?あんなエレベーターに閉じ込められて何やってるの!って」 「ふふっ、そうね。まさか暁美さんほどの魔法少女がエレベーターに閉じ込められて出られないなんて思わなかったわ」 「言ったでしょう?私より巴さんの方がずっと強いって」 ソファーに腰掛けて不器用に笑顔を浮べるほむらの胸に額をこつんとつけると、小さくささやくマミ 「そんな風にやさしくされたら・・・縋ってしまいそう。・・・信じていいの?暁美さん」 そんなマミの問い掛けに、少しの間をおいてから耳元で囁き返す 「・・・えぇ、二人でこの街を守りましょう、巴さん」 (・・・もっと大事な秘密を隠したまま、都合のいい言葉を並べて巴さんに付け入って・・・やっぱり私は最低ね、まどか・・・) その返事に思わず顔を見上げたマミの目からは、ほむらの表情が寂しげで今にも泣きそうに見えた 「・・・暁美さん、今夜はもう遅いから。泊まっていくと良いわ・・・」 そう呟くと、マミは黒髪の少女の背中に両手を回して抱きしめた・・・ To Be Continued
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…………………………………… ~月面~ ネクサス『…驚いたな』 コスモス『ええ、こんなものが地球に接近していたなんて』 月面に降り立った二人のウルトラマン その視線の先には異様な大きさの物体が浮遊していた ネクサス『宇宙船か…?なぜこれの接近にもっと早く気付けなかったんだ…?』 コスモス『わかりません…異次元のゲートを通って出現したとか?』 ネクサス『異次元かぁ…う~ん…』 コスモス『これどうしますか?』 ネクサス『問答無用で破壊…ってわけにはいかないよなぁ…』 コスモス『…じゃあ地球に戻って皆に報告しましょう。ワルプルギスの夜も接近しているそうですから』 ネクサス『そうだね…これを調べるのは魔女を倒してからでも…』 ???「その報告はできないよ」 コスモス『!?』 ネクサス『!…インキュベーター!!』 声の主を睨みつける二人 インキュベーター「これを出現させるのは早すぎたかな?」 巨大な物体を見上げながら呟く コスモス『これのことを知ってるのかい!?』 ネクサス『報告が出来ないってどういうことだ!地球で何かあったのか!?』 インキュベーター「君達イレギュラーへの対処は本当に骨が折れたよ」 インキュベーター「まぁ…今地球に残っているのは変身できない三人だけだけどね」 コスモス『なに!?』 ネクサス『質問に答えろ!』 インキュベーター「ここで消えてもらう君達にそれを知る必要は無いと思うけど」 インキュベーター「君達のデータはもう十分だからね」 バリーン! ズシンズシン! ネクサス『な、なんだ!?』 コスモス『これは…怪獣か!?』 二人の目の前に白い体色の巨大な生物が出現する インキュベーター「ちょっと違うね…さぁ君達にはこいつらの相手をしてもらうよ」 インキュベーター「地球へ向かわせた個体の邪魔になるだろうからね」 ……………… …………………… ………………………… …………………………… ……………………………… …………………………………… ……………………………………………… 一週間後… ~マミホーム~ ガチャッ ほむら「…」 ダイゴ「おや、ほむらちゃん…いらっしゃい」シャアァ… ほむら「ええ」 ほむら「…あなたは何をしているの?」 ダイゴ「見ての通り、花に水をあげてるんだよ」 花を見つめながら話し続ける ダイゴ「こんな時だから少しでも気が休まるように…ってね」 ほむら「…そう」 無関心に答える ほむら「…?」キョロキョロ 部屋を見回すほむら ダイゴ「どうかした?」 ほむら「…美樹さやかが来ていると聞いたのだけれど?」 ダイゴ「彼女はマミさんと特訓してるよ」 ほむら「特訓?」 ダイゴ「うん、一番戦闘経験が少ないのは彼女らしいから…」 ダイゴ「少しでも強くなるんだー…ってさ」 ほむら「…」 ほむら(彼女達も…まだ戦う気は残ってるみたいね) ほむら「あ…ところで我夢はどこ?」 ほむら「彼にに呼び出されたのだけれど?」 ほむら「なんでも渡したいものがあるとか…」キョロキョロ 質問に答え、 我夢の姿を探し続ける ダイゴ「彼ならあの廃工場に行ったよ」 ほむら「廃工場?彼が飛ばされて来た?」 ダイゴ「うん…先に行ってメンテナンスしておくとか言ってた」 ダイゴ「君に伝えるように言われてたんだったよ」 ほむら「?…わかった、ありがとう」 ガチャッ 杏子「あれ?ほむらじゃねーか」 アスカ「ただいま…っと」 ダイゴ「おかえり…見つかった?」 アスカ「見ての通りっすよ…」 ため息混じりに答える アスカ「みんなが消えたあの場所…なーんもありゃしねぇ」 杏子「あの穴も綺麗さっぱりだしな」 ほむら「…」ズキッ 一週間前に起こった出来事がほむらの胸を締め付ける ほむら(私は…何もできなかった…) ほむら(ここまで上手くいっていたのに…)ググッ 悔しさに唇を噛み締める ほむら(ほんの一瞬で…っ…) アスカ「それにムサシ達も戻ってきてないし…」 ダイゴ「ほむらちゃん…孤門は君の家には…?」 ほむら「…」フルフル 無言で首を横に振る ダイゴ「…そうか」 杏子「やっぱなんかあったのか?」 アスカ「かもな…さすがに遅すぎるぜ」 ほむら「…」 ほむら(この時間軸でも…私は…) 杏子「…大丈夫だってほむら!」 杏子「まどかも…あの爺さん達もきっと無事だって!な?」 ほむら「…ええ」 トテトテ QB「やぁ君達」 ほむら「!!」 ほむら「インキュベーター…!!」 アスカ「どっから入ったんだ!?」 杏子「コイツ!どの面下げてここに来やがった!!」 ダイゴ「いつの間に…」 突然の来訪者に驚きを隠せない四人 QB「そんなに驚かないでよ」 ほむら「…」 チャキッ QB「おや」 キュウべえに銃を突きつけるほむら ほむら「インキュベーター…!まどかを何処へやったの!?」 ほむら「あの黒服の男は誰!?」 QB「君は脅しから入らないと話も出来ないのかい?」 ほむら「…ふざけないで!!」グッ 引き金を持つ手に力が入る QB「今日は君に用があるんだよ…時間遡行者の暁美ほむら」 ほむら「…?」 ダイゴ「…ちょっと待て」 ダイゴ「その話をした時君はあの場所にはいなかったハズだけど…?」 杏子「そういやそうだ!なんで知ってんだアンタ!」 QB「…」 アスカ「おい無視か!」 QB「ほむら…数多の時間軸を渡り歩き…運命を変えようと戦い続けてきたんだね」 ほむら「…」 QB「ありがとう、君のおかげだよ」 ほむら「え…?」 アスカ「あいつ…なに言ってやがる」 QB「君は鹿目まどかに魔法少女としての素質があることを知っているね?」 ほむら「…それがなに!?」 苛立ちを隠せないほむら QB「魔法少女の潜在能力は背負い込んだ因果の量で決まる」 QB「壮絶な人生を過ごしてきた人間ほど因果の糸が集中するね」 ダイゴ「壮絶な人生って…」 杏子「アイツは普通の中学生だろ?」 QB「そう、それだよ」 QB「ほむら、ひょっとしてまどかは君が時間を巻き戻すたびに強力な魔法少女になってなかった?」 ほむら「!!」 ほむらの表情が強張る QB「ほらね、原因は君にあったんだ」 ほむら「何を…言っているの…」 QB「君が時間を巻き戻すのはまどかを救うためだろう?」 QB「君が何度も同じ目的で時間を遡るうちに…」 QB「彼女の存在を中心に複数の世界の因果の糸を一つに束ねてしまったんだろう」 QB「君が繰り返せば繰り返すほどまどかに因果が集中していくのさ」 QB「因果律の鎖…それによる拘束だね」 アスカ「…なに言ってんのかさっぱりわかんねぇ」 ほむら「…つまり…まどかに因果が集中したのは…」 ガチャン ほむら「私のせい…なの…?」 銃を落とし、膝をつくほむら アスカ「!!」 杏子「マジかよ…」 QB「その通り」 QB「まどかの体に溜まった莫大な因果の力もそうすれば説明がつく」スタッ QB(まぁこの結論に行き着いたのも彼の協力があったから…なんだけどね) QB「それじゃあね…この状況に絶望したならまた時を戻すといい」 QB「彼女にこれ以上因果の糸を集めたかったら…の話だけどね」タッ 窓の縁に飛び乗るキュウべえ 杏子「お、おい!アイツ逃げるぞ!」 ほむら「…」 ダイゴ「待ってくれキュウべえ!」 QB「…まだ何か聞きたいことでも?」 アスカ「当たり前だろうが!山ほどあるぜ!」 ダイゴ「…皆を何処へやった?」 ほむら「…!」 ダイゴの問いを聞き、ほむらが顔を上げる QB「…彼女達は生きているよ」 アスカ「!! 生きてるのか!?」 杏子「ほ、ほら見ろ!あいつらが簡単にくたばるもんか!」 キュウべえの答えを聞き、二人の表情が明るくなる QB「…いや」 QB「生きてるには生きているが…」 QB「無事…とは言えないかな?」 アスカ「…あ?」 ダイゴ「…もう一度聞く!」 ダイゴ「皆を何処へやった!?」 QB「光量子的空間…異次元空間だよ」 QB「そこへ鹿目まどかとウルトラ兄弟達を引きずり込んだ」 ダイゴ「インキュベーターはそんな能力まで持っているのか!?」 QB「僕達の能力じゃないよ?協力者の能力さ」 QB「鹿目まどかを餌にして面倒なイレギュラー5人を排除する…彼らの作戦は成功したという訳だ」 ほむら「…私を後ろから撃ったあの男?」 胸を押さえながら問いかける QB「その通りだよ。彼らのおかげで僕等は大量のエネルギーを手に入れた」 QB「あと暁美ほむら…君が時間を巻き戻してこの一ヶ月を何度もやり直してるのに気付いたのは彼らが接触してきてからだ」 QB「この世界と切り離された空間…協力者が作り出した異次元空間だね」 QB「そこに潜めば君の魔法の効果から逃れることができる」 QB「前の時間軸で集めたエネルギーも持ち越せるし…一石二鳥どころの騒ぎじゃないね」 杏子「その空間に行くにはどうすればいいんだ!?」 アスカ「そうだ!さっさと教えろ!みんなを助けに行くんだ!」 身を乗り出して問い詰める二人 QB「…君達は話を聞いていたのかい?この世界から切り離されていると言っただろう?」 QB「協力者の意思でゲートを開くか…内側から何らかの力が掛ればなんとかなるかもね」 アスカ「それって…つまり」 ダイゴ「こちらから助けに行くのは…不可能…」 QB「理解してくれたかな?」 杏子「…くそっ!」 QB「それより君達は目の前の事をどうにかすべきじゃないのかい?」 QB「ワルプルギスの夜がこの町に来るまであと二日だよ」 QB「光の力を失った三人と…魔法少女四人でどう戦うのかな?」 杏子「うっせぇ!だったらまどか達を返せ!」 QB「それは駄目だ。協力者はそれを許可しない」 アスカ「ぐ…こ、コイツ!」 ほむら「…あなた達、もうやめて」 アスカ「なんだよ!?」 杏子「…ほむら?」 二人を制止するほむら ほむら「…悔しいけどインキュベーターの言う通り…」 ほむら「今はワルプルギスの夜を倒すことが先決よ」 アスカ「だ…だけどさぁ!!」 ほむら「まどか達の事を気にしている場合ではないわ…我夢のところへ行ってくる」 ダイゴ(…!) ガチャ バタン ダイゴ「…」 QB「彼女は物分かりがいいね」 ダイゴ「キュウべえ、君は何も感じないのか?」 QB「なにも…とは?」 ダイゴ「君の口振りからすると…これまでも多くの魔法少女を見て来たんだろう?」 ダイゴ「彼女達が苦しんでる姿を見て何も感じなかったのかと聞いてるんだ」 QB「…」 QB「僕達には感情というものは無いんだよ」 QB「もしそんなものが芽生えた個体がいるなら欠陥品として即処分だね」 ダイゴ「…」 QB「あ…でも感情の法則性はある程度だが理解しているよ」 杏子「どういうことだ?」 QB「どんな状況なら君達は僕と契約してくれるのか…とか」 QB「どんな言葉を投げ掛ければ絶望してくれるのか…とかね」 QB「これは協力者に色々教えてもらったおかげだね」 ダイゴ「感情そのものは理解していないということか…」 杏子「…もうアンタには怒る気にもならねーよ」 QB「それは安心だね。それじゃ」タッ 窓から飛び出すキュウべえ シーン… ダイゴ「…」 杏子「…」 アスカ「…でもさぁ」 長く続く沈黙をアスカが破る アスカ「キュウべえも酷いけど…ほむらもなんか冷てぇよ!」 杏子「?」 アスカ「一緒に戦う仲間がやばいってのに…気にしている場合じゃないって…」 アスカ「いくらなんでも…」 ダイゴ「彼女…瞳が潤んでた」 アスカ「えっ…」 杏子「ほむらが…?」 ダイゴ「自分の大切な人が目の前で連れ去られて今も苦しんでるかもしれないのに…」 ダイゴ「きっと今すぐにでも泣き叫びたい気分なのに…」 ダイゴ「本当の気持ちを必死で押し殺して戦おうとしている」 アスカ「…」 ダイゴ「まどかちゃん達を一番心配してるのは紛れもなく彼女だよ」 アスカ「あ…」 杏子「…」 杏子「…」スゥッ 杏子「あーーーーーーーーーーーっっっ!!!」 アスカ「うお!?」 ダイゴ「?」 大きく息を吸い込み、杏子が叫ぶ 杏子「はー、すっきりした!」 杏子「もうじっとしてられるか!!アタシも特訓でもしてくらぁ!!」 ガチャ バタン アスカ「…今の俺には…」 アスカ「なんもできねぇのか…」 ダイゴ「せめて信じてあげよう…彼女達の勝利をね」 ガチャ バタン 小さな植木鉢を抱え、部屋を後にする アスカ「…くそったれ!!」 ガンッ カラカラカラ… 床に叩きつけられたリーフラッシャーの転がる音が 静まり返った部屋に虚しく響き渡る …………………………………… ガガガッ! マミ「…」 さやか「わ…わぁああっ!!」タタタッ マミの放った銃弾がコンクリートの地面を抉り飛ばす さやかはその一方的な攻撃から逃げ回ることしか出来なかった マミ「美樹さん!今日も逃げてばかりじゃない!?」 マミ「接近しないと剣は届かないわ!」 さやか「そ、そんなこと言ったって…!」 マミ「私はさっきから一歩も動いてないわよ!」 さやか「え…あ、あれ?そういえば…」 二人の間の距離は10メートル程度 接近戦を主体としたさやかの攻撃が届くはずもなかった マミ「さっきからあなたは逃げ回ってるだけ!」 マミ「相手の有利な間合いを自分が作り出してどうするの!!」チャキッ さやか「あ…ぼ、防御…!!」 バン! ガキン マミ「せめて一太刀くらい浴びせてみなさい!」 さやか「く…くぅ…」 ダッ さやか「わぁああああああ!!」 剣を構え、マミに一直線に突撃する マミ「…来たわね!」 マミ(でも…銃相手に真正面からは愚策!)シュルル 抉れたコンクリートの地面の隙間から飛び出した拘束魔法がさやかに迫る さやか「き、来たっ!!」ダッ マミ「…!」 マミ(やはり飛んで回避したわね…) さやか「やあああああ!!」 マミ「…っ!」ブンッ 上空から振り下ろされる剣の威力を相殺するため マスケット銃を逆手に持ち、振り上げる さやか「…!」ビクッ さやか(や…やっぱ無理っ…!!) サッ マミ「なっ!?」 マミ(どうして剣を引くの…!?このままじゃ…!) バキッ さやか「ぶっ…あっ!」プシュッ ドシャッ マスケット銃の銃底が顔面に直撃し、 そのまま地面に落下する マミ「美樹さんっ!!」 さやか「う…ううっ…」ポタポタ 顔を覆うさやかの手の間から血が滴る マミ「ご、ごめんなさい!当てるつもりは…」 マミ「傷見せて!すぐに治すから!」 キューン さやか「っつ…うぅ」 マミ「本当にごめんなさい…ちょっと熱が入り過ぎちゃったわね…」 さやか「…いいんです」スッ 血が止まったさやかが立ち上がる さやか「あの時あたしがビビっちゃって剣引いたから…」 さやか「それに特訓してもらいたかったのはあたしですから!全然大丈夫です!」 マミ「美樹さん…」 さやか「…それにしてもマミさんはやっぱ一流だなー!」 マミ「?」 さやか「だって相手が目の前まで迫って来たのにあんなに冷静に対応して…ベテランって感じですよね!」 さやか「いやーあたしなんてまだ戦いを怖がっちゃって!ははは…」 マミ「…」 マミ「…美樹さん、今日はこれくらいにして帰りましょう?」 さやか「え…?でもあたしまだマミさんに攻撃を当てることも…」 マミ「いえ…もう十分よ」 マミ「基礎的な動きはだいたい教えたから…それ以外の事は明日佐倉さんに教えてもらいなさい」 マミ「彼女はあなたと同じ接近戦タイプだし色々参考になると思うわ」 さやか「…はい!ありがとうございました!」 マミ「あ!あと明日私の家で作戦会議するから…」 さやか「わーかってますって!それじゃ!」 タタタッ 笑顔のまま手を振り、その場から立ち去る マミ「…」 マミ(ベテラン…か) ~廃工場~ ほむら「我夢、来たわよ」 我夢「あ!遅かったじゃないか!メンテナンスはバッチリだよ!」グイ 大きな包みをほむらに差し出す ほむら「なに?…随分重いけど」 我夢「まぁ開けてみてよ」 ほむら「…?」ガサッ ほむら「これは…銃…かしら?かなり大型ね」 包みの中には銃は 青と銀のフレームで三つの銃口が着いた特殊な造形をしていた 我夢「ディバイトランチャー…孤門さんがこの世界に飛ばされた時に持ってた銃だよ」 ほむら「ああ…たしか初めて会った時に見たような…」 ほむら「でもあれは壊れていたんじゃ?」 我夢「だからここでチョチョイッと修理したんだよ」 我夢「さすがにここじゃ完全に…とまではいかなかったけどね」 ほむら「そう?使えれば問題ないと思うけど」 我夢「ホラここ!継ぎ目があるだろ?」 銃の一部を指差しながら話す 我夢「本来は分離銃だったけどその機能はオミットした」 ほむら「…そう」 我夢「いやでも、その分威力はすごいよ!?」 フォローするように説明を続ける 我夢「指紋認証の解除にはかなり手こずってさぁ…」 ほむら「…実際に撃って確かめた方が早そうね」ジャキ 遠くのドラム缶に狙いを定め、引き金を引く 我夢「あ!ちょっと…」 カチッ NO BULLET ほむら「…?」 カチカチッ NO BULLET 何度引き金を引いても銃弾は発射されず 弾切れを知らせる音声が鳴り響く ほむら「…弾切れじゃない」 我夢「もう…話は最後まで聞いてよ」 我夢「その銃の弾…ここには無いんだ」 ほむら「…は?」 ほむら「どういうこと?何か別の弾で代用するの?」 我夢「代用というか…その銃はエネルギー兵器なんだよ」 ほむら「…ますます分からないわ」 我夢「この世界にはそんなもの無い…のかな?」 我夢「分かりやすく言うと君が使ってる銃と違って実弾を必要としないってこと」 我夢「あらかじめ溜めておいたエネルギーを弾として放つ武器なんだ」 ほむら「つまり今この銃のエネルギーは0だと?」 我夢「そういうこと!」 ほむら「…出来ればエネルギー満タンの状態で渡してほしかったのだけれど」 我夢「えーっと…」 我夢「そのエネルギーチャージにも専用の設備が必要で…」 ほむら「え?」 ほむら「じゃあどうすればいいの?」 我夢「それについてなんだけど…う~ん…」 ほむら「?…勿体つけずに早く教えて」 我夢「…この銃が撃てるかどうかは君次第なんだよね」 ほむら「私次第?」 我夢「うん、魔法少女にしか出来ないことなんだけどね…」 我夢「この銃のエネルギーを魔力で代用できないかな~…ってさ」 ほむら「魔力で?」 眉をひそめて聞き返すほむら ほむら「私が聞くのも変だけど…そんなことできるの?」 我夢「マミさんだって似たようなことしてるじゃないか」 ほむら「あれは彼女特有の能力だと思うのだけど」 我夢「う~ん…なにも銃弾そのものを作り出すってわけじゃなくて…」 我夢「君の魔力を銃に流し込んで放つんだよ…出来ないことはないと思うけどなぁ」 ほむら「…」 ほむら「まぁ…やってみる価値はありそうね」ジャキ ディバイトランチャーを構え直すほむら 我夢「頑張って!」 ほむら「…」スゥ 気を落ち着かせるように深呼吸して 意識を集中する 我夢(上手くいってくれよ~…) ほむら「…」グッ 再びドラム缶に狙いを定め、引き金を引く バァン ドグシャッ! 我夢「!」 ほむら「…っ」ビリビリ 三つの銃口から放たれた弾は空のドラム缶をねじ切るように破壊し、 その後ろのコンクリートの壁に穴を開ける 我夢「やった!やっぱり出来るじゃないか!」タタタッ 笑顔で駆け寄る我夢 ほむら「す、すごい威力ね…腕が痺れるわ…」グッグッ 我夢「数十メートル級の怪物にもダメージを与えられる武器だからね」 我夢「その武器の問題と言えば分離出来ないことと…」 ほむら「その分威力は申し分ないわ」 我夢「うん、その気になればもっと高威力を叩き出すことが出来るんだけどね」 我夢「一番の問題は…」 ほむら「私の魔力ね…分かってたことだけど」 我夢「…うん」 申し訳なさそうな顔で答える 我夢「その銃は威力は凄いけど最大の欠点は君の魔力を消費する」 我夢「命を削るようなものだ…僕としてはあんまり使って欲しくないんだけどね」 ほむら「でもそれって魔法と似たようなものじゃない」 ほむら「私以外の魔法少女も武器を使うのに魔力を消費してるわ」 ほむら「消費する魔力がちょっと増えるだけ…問題ないわ」 我夢「それでも…大量に魔力を乗せて連射なんて危険なことはやめてね?」 ほむら「…ええ」 ほむら「…」 ほむら(この武器があれば…ワルプルギスの夜にもダメージを与えられるかもしれない) ほむら(まともに扱えるかどうかは…私次第…) ほむら「とりあえずもう少しこの銃に慣れる必要があるわね」 ほむら「今日はありがとう。じゃあ私はこれで…」 スタスタ 我夢「ちょ、ちょっと待って!」 ほむら「…?」 立ち去ろうとするほむらを呼び止める ほむら「まだ何かあるの?」 我夢「渡すのがその銃だけならわざわざここに呼ばないよ…」 我夢「ちょっと奥まで来て」 ほむら「?…ええ」 スタスタ 工場の奥まで入っていく二人 …………………………………… 我夢「これ!本命はこれだよ!」 ほむら「これ…は…?」 目の前の巨大な物体に驚くほむら ほむら「戦闘機…?」 我夢「そう!僕が乗って来た戦闘機!ファイターEX!」 自慢げにファイターを指差す ほむら「まさか…これを操縦しろとでも?」 我夢「いやいやさすがにそれは無いよ!」 我夢「空を飛ばすわけじゃなくて…使って欲しいのはこいつのミサイルなんだ」 ほむら「…つまり砲台として使うってこと?」 我夢「その通り!」 ほむら「でもそのミサイルはどうやって撃つの?私が直接乗り込めばいいのかしら」 我夢「ミサイル発射ならこれ!これ使って!」スッ 赤いスイッチの着いた機械を差し出す ほむら「…リモコン?」 我夢「そう!そのスイッチ一つで6発まとめて発射するよ!」 ほむら「…ワルプルギスの夜にたった6発のミサイルが効くかしら?」 我夢「そう言うと思って…そのミサイルにも色々仕込んである」 ほむら「どういうこと?」 我夢「ハヤタさん達…ウルトラマンにもちょっとだけ協力してもらってね」 我夢「このミサイルにスペシウムエネルギーを注入した」 我夢「スペシウム弾頭弾ってとこだね」 ほむら「…スペシウム?」 我夢「…まぁすごい威力のミサイルってことかな」 ほむら「一回スイッチを押して全弾発射…チャンスは一回ね」 ほむら「…とにかくありがとう」 ほむら「このミサイルはヤツに止めを刺す時に使わせてもらうわ」シュン 盾の中にファイターとディバイトランチャーを収納する 我夢「今更だけどその盾凄いね…体積無視だもん」 ほむら「そうね…自分でもちょっと驚いてるわ…」 盾を見つめる二人 我夢「…すまない」 ほむら「?」 我夢「…僕達が戦えればこんなもの作る必要なかったんだけどね」 ほむら「…」 ほむら「…いえ…十分よ」 …………………………………… ~さやかホーム~ さやか「…」 ゴロン さやか「…怖い」 ベットに体を沈め、手で顔を覆うさやか 誰に聞かせるわけでも無い小さい呟きが部屋に響く さやか「怖い…怖い…」 さやか「怖い怖い怖い怖い怖い怖い…!」 さやか「怖いっっ!!!」 さやか「っ…はぁっ…!はぁっ…!」 さやか「なんでだよぉ…」 さやか「なんで今頃…こんなに怖くなるんだよぉ…」 さやか(変身して…剣を構えるだけで…) さやか(前の滅茶苦茶な戦いしてたあたしの姿が…頭から離れてくれない) さやか(ワルプルギスの夜との戦いがもうすぐって考えただけで…) さやか(震えが止まらない…!) さやか「ウルトラマンも…みんな戦えない…」 さやか「たった四人で…あたし達…勝てるの…?」 さやか「…」ゾクッ さやか「怖いよ…」 さやか「死にたくないよぉっ…!」 …………………………………… 使い魔『ギャ!?』 ズバッ 杏子「ふぅっ…一丁上がりっと」 使い魔を槍で斬り捨てる 杏子「結構てこずったな…こんなんじゃ駄目だ…」 杏子(噂でしか聞いたことないけど…ワルプルギスはこれまでとは桁違いの強さだ…) 杏子「…」 杏子(もうこれ以上仲間を失いたくねぇ…) 杏子(いざとなりゃあ…アタシがムサシを助けた時みたいに…) 杏子「…勝てる…よな」 不安をかき消すように、 自分に言い聞かせるように呟く …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… まどか「…」 ザッザッザッ… まどか「ここ…どこ…?」 まどか「わたしは…あの穴の中に落ちて…」 まどか「…いつの間に…こんなとこに…?」 何も無い砂漠が広がる世界 空の色は青ではなく、不気味に黒みがかった赤 その異常な世界を一人歩き続けるまどか まどか「みんな…どこ…?」 スタッ QB「…やぁまどか」 まどか「…!?」 まどか「キュウべえ…っ!!」 突然現れたキュウべえを睨みつける QB「…やだなあ」 QB「そんな顔で見ないでよ」 まどか「…」 QB「まどか」 QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」 まどか「ふ…ふざけないで…!」 まどか「みんなの所に帰してっ!」 QB「残念だがそれは出来ない」 まどか「!…っうぅ…」 まどか「じゃ、じゃあっ!…ハヤタさん達はどこ?」 まどか「わたしと一緒にあの穴に落ちたんでしょ!?」 ???「彼等はこことは別の空間に閉じ込めた」 まどか「!?」 QB「おや…?」 声の主の方に振り向く まどか「あ、あなたは…」 まどかの背後に現れた老人は黒ずくめの服装で その手には黒い風船をいくつも持っていた まどか「!!…そ、そうだ!あなたがわたしやハヤタさん達を…!」 ???「そうだ…彼等はもう元の世界に戻ることはない」 ???「お前もだ…鹿目まどか」 ???「…こいつは契約を拒んだか?」ザッザッ QB「ああ…まったく面倒をかけてくれる子だよ」 キュウべえと話しつつまどかに近寄る老人 まどか「っ…こ、来ないで!!」 QB「やれやれ…」 ???「…」ザッザッ 老人はまどかの言葉を無視し、さらに近づく まどか「あ、あなたは何者なの…どうしてこんな…」 QB「…そろそろ教えてあげたら?」 ???「そうだな…聞け、鹿目まどか」 ???「私は異次元人ヤプール」 まどか「異次元…人…」 ヤプール「…」ザッザッ ガシッ ヤプールの手がまどかの髪を掴む まどか「い、痛い!離して!!」 ヤプール「お前が契約を拒むというならば…いいものを見せてやる」シュン QB「!」 ヤプールが右手をかざした何も無い空間に穴が開く その空間の向こうには四足の巨大な怪物 そして血塗れの少女が一人、膝をついていた 『うっ…く…』 まどか「…え?」 まどか「あれって…?」 ヤプール「よく見ろ…あれはお前の知る時間軸の世界ではない」 ヤプール「一つ前の時間軸の映像だ」 QB「ちなみにこの時の記憶は暁美ほむらには無いみたいだよ」 まどか「あれって…まさか…」 まどか「ほむらちゃん…!?」 穴の向こうの映像を見つめ 絶望の表情を浮かべる ヤプール「その通り。あれは暁美ほむらだ」 ヤプール「そして…」 シュン 映像からほむらが消え、別の画面へと切り替わる ヤプール「あれを見ろ」 まどか「!!!」 ヤプールが示した方向には ソウルジェムが砕かれ、血の海に沈む三人の少女の姿があった まどか「みん…な…」 ヤプール「そうだ」 ヤプール「巴マミ、美樹さやか、佐倉杏子…お前も知っている魔法少女だ」 まどか「う…嘘っ!そんなの…!!」 QB「信じないとでも?」 まどか「!…うっ…あ…あ…」ジワッ ヤプール「…ふふ」シュン 再び画面が切り替わり、ほむらを映す QB「さぁここからだ」 『あっ…!?』 まどか「!! ほむらちゃん!逃げて!」 QB「聞こえないよ。過去の映像だからね」 怪物の全身から伸びる触手 その中で最も細いものがほむらを捕らえ、持ち上げる まどか「や、やめ…」 『いっ…ぎゃあぁあああっっ!!!』 怪物は身動きの出来ないほむらに赤い雷撃を浴びせる まどか「ひっ…いやぁああああ!!」 ヤプール「よく見ろ!激痛に苦しむ彼女の姿を!!」グイッ 目を逸らそうとするまどか その頭を掴み、無理やり凄惨な光景を見せつける 『くああ!!ぁああああ!!!』 まどか「やめて…もう…やめて…!!」ポロポロ 堪え切れない涙が溢れ出す QB「…もう十分だよヤプール」 ヤプール「…」シュン ヤプールが手をかざし、映像を映し出す穴を消滅させる まどか「ひっく…うっ…」グスッ ヤプール「…よく聞け鹿目まどか」 ヤプール「彼女があれほど苦しむのは誰のせいか解るか?」 まどか「え…」 ヤプール「暁美ほむらが魔法少女になったのは…鹿目まどか…」 ヤプール「お前を守るためだ」 まどか「!!」 ヤプール「健気なものだなぁ…お前を救おうと何度もここ一ヶ月をやり直し…」 ヤプール「その度に苦しみ、傷つき、絶望する」 QB「因果の鎖に縛られていたのは彼女も同じだったんだよ」 QB「まるで地獄だね」 まどか「…あ…ああ…あ…」 膝を着き、絶望するまどかにヤプールは話を続ける ヤプール「暁美ほむらをこの道に引き込んだのは…」 ヤプール「他でもない…お前だ!鹿目まどか!!」 まどか「…」 QB「さて…本題に入ろうか」トテトテ 俯くまどかの耳元で囁く QB「まどか…このままじゃいずれこの時間軸も同じ結末を辿るだろう」 QB「彼女達を助けたくないかい?」 まどか「!…」 ヤプール「悩む必要などない」 QB「僕と契約すればいいよ」 QB「さぁ…君の願いを言ってごらん!」 QB「もう決まっているんだろう?」 まどか「…」 まどか「…」 まどか「…わかった」 まどか「契約…する…」 まどか「わたしの願いを叶えてよ…キュウべえ」 ヤプール「…」 QB「君の体には大量の因果の力が蓄積されている」 QB「どんな願いでも叶えられると思うよ!」 まどか「わたしの願いは…」 まどか「ほむらちゃんを…みんなを…」 まどか「助けて欲しい…」 ヤプール「…」ニヤ キィィイイン… ヤプール『…やはり以前の時間軸と同じ願いだな』 QB『もちろん…そう言うように仕向けたんだけどね』 テレパシーでお互いの頭に直接語りかける ヤプール『この願いを叶えてやれば…以前のように一ヶ月時間が巻き戻されるのか?』 QB『まったく同じ願いだからね…』 QB『彼女ほどの素質があればそうなると思うよ』 ヤプール『…そして我々は膨大なエネルギーを回収できる…と』 QB『その通り!…恐らくここで回収できるエネルギーを合わせれば…』 QB『僕達の計画に必要なノルマは達成されるだろうね』 まどか「…?」 QB「おっとすまない…じゃあ契約しようか」 シューン… まどか「うっ…くぅっ!」 まどかの体を光が包みこみ その手にソウルジェムが出現する まどか「…」 ヤプール「契約完了…か」ニヤッ QB「そうだね…これで」 QB「…!?」 キュウべえが目を見開き、言葉を止める まどか「あ…れ?」 まどか「何も起こらない…?」 ヤプール「…どうした、インキュベーター」 QB「おかしい…そんな馬鹿な…」 ヤプール「…何を言っているんだ?」 QB「あり得ない…こんなことは…!」 ヤプール「どうしたと聞いているんだ!答えろ!」 QB「か…鹿目まどか…!」 まどかの方へ向き、焦った様子で話す まどか「えっ…?え…?」 QB「君の体に蓄えられたエネルギーを…何処へやった!?」 ヤプール「!?…何を言っている!」 QB「彼女から…彼女から回収できるエネルギーが…」 QB「これっぽっちのハズが無いんだ…!!」 BACKまどか「…ウルトラマン!」 6 NEXT まどか「…ウルトラマン!」 8
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…………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… ドガッ!! マミ「うぁ…!!」 ダイナ「グゥッ!?」 ティガ「…!!」 触手の強烈な一撃に吹き飛ばされ、ビルに叩きつけられる Uキラー「ギャォァアアアアア!!!」 QB『ほらほら!もう後が無いよ?』 耳を劈く咆哮を上げ、 大地を砕き、Uキラーザウルスが暴れ回る ダッ ガイア『まだまだ…!!』 杏子「おい!アンタ達は退け!」 さやか「そうですよ!ただでさえ消耗してるんですから!」 吹き飛ばされた三人と入れ替わるように、 ガイア、杏子、さやかが飛び出る Uキラー「グォァアアアアア!!!」バシュッ ガイア「!! デュア!」シュン バチッ! 杏子「! 今だ!行くぞ!」 さやか「うんっ!!」 Uキラーザウルスの光弾をガイアがバリアーで弾き返す ガイアの股を通り、Uキラーザウルスの足へ杏子とさやかが斬りかかる QB『!!…しつこいなぁ君達は!!』 ドガガッ 杏子「…っぐ!!」 さやか「ぁあっ!!?」 決死の攻撃もUキラーザウルスの攻撃に阻まれ、届かない ガイア『!!』 QB『そして…』 QB『そこにいることは分かっているんだよ!暁美ほむら!!』 Uキラー「グォアッ!!!」 ほむら「っ!?…しまった…!」 ドゴッ! ガラガラガラ… Uキラーザウルスの触手が半壊したビルに突き刺さる そのまま先端の爪がほむらを掴み、拘束する ほむら「うっ、あ…!あぁっ!!」ギギギッ ほむら(っ……ランチャーがっ……!) QB『ふ…ふふ…ふふふふ…何が光だ…』 QB『このままバラバラに…!!』 ギギギッ… ほむら「!!…!……」 ほむらの肌を突き破る爪、少しづつ強くなる絞め付け ほむら「ぐっ…!!…く…!」 ほむら「………」 ほむら「…ふ…ふ」 QB『?』 血が滴る唇の端を吊り上げ、笑みを浮かべるほむら QB『なんだ…!!なにを笑っているんだ!!』 グググッ ほむら「っ…つ…ふふ…」 ほむら「…なんだか……可笑しいんだもの……」 見下したような 挑発をするような態度で、キュウべえを睨みつける QB『何が言いたいんだい!?』 ほむら「ふ…くふ…ふふ……インキュベーター…」 ほむら「…感情の無いあなたが……」 ほむら「何を熱くなってるの……?」 QB『……!!』 QB『やめろ……暁美ほむら…!!』 ほむら「…っふふ……あなた…」 ほむら「それじゃあまるで………」 QB『!!!』 グギギギギッ ほむらに止めを刺すべく、絞め付けを一気に強める ほむら「!!うっ、ぁぁあああっぐっ!!」 体に圧し掛る触手、 それに伴う背中に受けた光弾の傷 全身の骨が軋み、激痛に叫びを上げるほむら バキィイン! Uキラー「!!」 QB『なに!?』 暗雲立ち込める空 その一角が砕け、巨大な穴が開く ティガ『…く…何だ…?』 ダイナ『あの……穴は…?』 ガイア『……また何か来るのか!?』 ほむら「うっ……ぁ?」 さやか「……なに…?」 杏子「……もう何がでるやら…」 マミ「……新手…?」 その場にいる全員の視線が空の穴へと集中する シュン ズバッ! QB『…!』 ほむら「あ……!」 空を裂き、穴の向こうから光輪が飛ぶ その光輪はほむらを捕らえたUキラーザウルスの触手を斬り落とす ポスッ ほむら「う……た、助かったわ…」 ティガ『構わないよ……しかし一体何が……』 大きな手のひらでティガがほむらを受け止める QB『なんだ……何が起こって…!!』 シューン QB『!!!』 ズズーン… マン『…なんとか…脱出できたか』 セブン『そこまでだ!!インキュベーター!』 ジャック『これ以上貴様の好きにはさせんぞ!!』 QB『!!…そ…そん…な……!』 エース『みんな、無事か!!』 メビウス『後少しだ…!諦めないで!』 空の穴の向こうから 大地を揺らし、土埃を巻き上げ 五人のウルトラマン達が出現する ほむら・マミ・杏子・さやか「!!!」 ティガ『!!…』 ダイナ『!…へへ…』 ガイア『は、ハヤタさん達が…!』 地に伏した体を起き上がらせ、 歓喜し、驚くほむら達 Uキラー「グルル…!」 QB『馬鹿な……そんな馬鹿なことが…!』 QB『ヤプールの力以外で…空間に穴を開けることなんて…!不可能のはずだ!!』 焦りを隠しきれないキュウべえが叫ぶ メビウス『どんな時でも最後まで諦めず…不可能を可能にする…!!』 マン『それが……ウルトラマンだ』 QB『ふ…ふざけるな…こんなことが…!』 シュバッ! マン『…』 セブン『…』 ジャック『…』 エース『…』 メビウス『…』 ティガ『…』 ダイナ『…』 ガイア『…』 Uキラー「グァルルルォォオオ!!」 唸るような低い咆哮を上げるUキラーザウルス その眼前に八人のウルトラ戦士が集結し、ファイティングポーズを取る QB『何が光だ……!!』 QB『いくらウルトラマンが集まったところで僕を止めることは…!!』 マン『いや…勝利を信じて諦めないのは…我々だけではない』 QB『!……何を…』 ゴゴゴゴゴゴ… QB『うっ…?』 空の穴から光が溢れ出し、 キュウべえが空を仰ぐ マミ「また……何か来るのかしら…?」 杏子「もう何が来ても驚かねぇぞ……」 さやか「……」 さやか(…まさか) ほむら「あ……あ!!」 ほむら「……あの…光は……!」 シュゥゥ…… 灰色の空 その薄暗く不気味な色の中に差し込む一筋の光 包み込むような 淡く、優しい輝き 暁美ほむらにとって、見覚えのある 忘れるはずの無い友の光 桃色の粒子を身に纏い 二つに分けた髪とフリルのスカートを風に靡かせて ゆっくりと地上に舞い降りる 魔法少女 鹿目まどか スタッ まどか「……」 QB『な…何故だ…!!鹿目まどか、君は……!!』 QB『もう魔女になる寸前だったというのに…!!』 まどかの出現に呆気に取られる一同 杏子「…前言撤回……驚いた…」 さやか「帰って来た……まどかが帰って来た…!!」 マミ「鹿目さん…!本当に…鹿目さんなのね…!」 ほむら「……ま、まど…」 ほむら「……っ」 真っ直ぐにUキラーザウルスを見据えるまどか その背中を見て、ほむらは言葉を止める ほむら(今は……まだ…) まどか「……」ス… Uキラー「グルル…!」 QB『…!!』ビクッ 身の丈ほどの弓を左腕で支え 右腕で弓を引き絞る QB『そ…そんなもので…!!』 まどか「…いけぇっ!!」 シュパッ! Uキラー「!?」 まどかの放った光の矢は分裂し、 光の軌跡を描いてUキラーザウルスへ飛ぶ QB『な…!?』シュン Uキラー「グガッ!!」 ガガガッ バチッ! 分裂した矢はUキラーザウルスの両腕に阻まれ、弾け飛ぶ 両腕の防御を通り抜けた矢も亜空間バリアーに阻まれ、同じように消滅する QB『何故…何故…!!』 QB(以前の時間軸程ではないけれど…!) QB(今の彼女がなぜこれほどの力を!?) まどか「っ…」 杏子「へっ…ダメージは対して無いみたいだけど…」チャキッ さやか「あいつ…結構面食らってるよ!!」シャキン 再び刃をUキラーザウルスへ向ける二人 QB(!…なぜだ…!あの二人も既に相当のダメージを…!) QB(もう動くことなど出来ないはずなのに…) QB『わけが……解らないよ……』 ジャック『魔法少女達の……信じる心』 エース『その心は…時として不可能を可能にする!』 ダイナ『へへ!勢い付いてきたな…』 ティガ(まどかちゃん…彼女には人の光を輝かせる力がある…) ガイア『もう負ける気がしない…!』 QB『ぅ…ぅぅうううう…!!』 Uキラー「ゴォガァァアアアアアアアアッッ!!!」 今までに無いほどの強烈な咆哮を上げるUキラーザウルス QB『…いいだろう』 QB『何人揃おうと同じ事…君達全員まとめて消し去ってやる!!』 Uキラー「グォォオオオオオオオオ!!!」 ヒュヒュヒュン! 全身の触手全てを使い、 眼下の者達に向けて攻撃を仕掛ける セブン『! 来たぞ!』 マン『…我々の力を合わせ、この悪魔を倒す!』 ジャック「シェアッ!!」 エース「デァアッ!」 襲い来る触手を避け、飛び立つ四兄弟 ティガ『気をつけてください!奴の弱点を破壊するにはバリアーの突破が最優先です!』 ダイナ『よーし!やってやるぜぇ!』 ガイア『あの雷撃が来る前に触手の数を減らさないと!』 それに続いて飛び立つ三人のウルトラマン メビウス『杏子ちゃん!さやかちゃん!君達はこっちに!』 杏子「は!?お、おいちょっと…」 さやか「え!?」 メビウス『いいから早く!』 メビウス(あのバリアーを突破する攻撃を…!) 手の平で杏子とさやかを胸にしまい込むように乗せて、メビウスが飛び立つ まどか「よし…!わたしも…!」 ほむら「……まどか」 ガシッ まどか「あ…」 ほむらがまどかの肩に手を当て、呼び止める ほむら「……」 マミ「暁美さん…」 まどか「ほ、ほむらちゃん……あの…」 ほむら「……」 グイッ まどか「わ!」 マミ「あ…?え?」 まどかの体をUキラーザウルスの方へ向けるほむら ほむら「マミ、あなたも手伝いなさい…」 マミ「…?」 ほむら「私達の魔力をまどかに送り込むわ」 マミ「!…」 まどか「え…?」 ほむらの提案に、目を丸くする二人 ほむら「私達が受けたダメージでは…今奴に向かって行っても足手まといになるだけだわ」 マミ「じゃ…じゃあ私が回復を…」 ほむら「…無茶よ、あなた自身の傷も治せてないじゃない」 マミ「!…」 マミの体の傷を見て呟く ほむら「自分の体を治す余裕も無いほど…あなたの力が弱まっている証拠よ」 マミ「う…」 マミ「……」スッ まどか「!……マミさんも…」 まどかの背中に手をかざす二人 マミ「少しだけど…足しになるでしょう?」 ほむら「チャンスは一回よ、まどか」 ほむら「集中しなさい」 まどか「……!」 まどか「うんっ!」 Uキラーザウルスの巨体を真っ直ぐに見据え ゆっくりと弓を引き絞る まどか「……」 ググググッ… マミ「……」 ほむら(…あとは彼らが隙を作ってくれれば……) …………………………………… セブン「デュワァッ!!」 マン「シュワッ!」 ズバババッ アイスラッガーを逆手に持ち、振るうセブン 光輪を投げるウルトラマン 五人のウルトラ戦士の参戦で、大量の触手が次々に切り裂かれ 地に落ちる Uキラー「グゥゥウウウ…!!?」ブンッ 腕を振り回し、 全身から生体ミサイルを放つUキラーザウルス ジャック『まだまだ…!』シュン エース『次はコイツだ!!』シュン QB『!?』 ミサイルを避け、接近する二人 ジャックが左手首のウルトラブレスレットを変形させ、Uキラーザウルスの右腕に エースが頭部に集束させたエネルギーを光輪にしてUキラーザウルスの左腕に、それぞれ放つ ズバンッ! Uキラー「グァギャァアアアアア!!」 QB『く…』 白熱化し、空を裂く刃は巨大な扇状の両腕を斬り落とし、 辺りに肉片が飛び散る QB『だが……これくらいのダメージならすぐに…!』 Uキラー「!!」 シュルルル ガイア『!!…駄目だ、奴には再生能力が…』 残り少ない触手が斬り落とされた両腕を拾い上げ、体へと引き寄せる マン「シャッ!!」 セブン「デュワッ!」 ピタッ QB『…?』 Uキラー「?…グ…?…」 QB『な、何だ…!?引き寄せられない……持ち上げられない!?』 二本の腕は空間に固定されたように動かない マン『アスカ!!』 セブン『我々がウルトラ念力で止めている…今の内にあの能力で…!』 セブンが叫ぶ ダイナ『!!……そうか!それかぁ!!』 シュィン ダイナ(M)「デュア!!」 両腕を交差させ、ダイナが青い姿 超能力を得意としたミラクルタイプへチェンジする ダイナ(M)「ハァァアアアア……!!」シュゥゥ ダイナ(M)「ディヤァッ!!」バシュッ 右腕に圧縮した空間を衝撃波として撃ち出し、それが落ちたUキラーザウルスの両腕に直撃する QB『!……』 放たれた衝撃波・レボリウムウェーブは直撃と同時にブラックホールを作り出し、 両腕を次元の彼方へ吹き飛ばす ダイナ(M)『はっはー!どうだこの野郎!!』 QB『!…両腕が…っ』 エース『よぉし!!』 ジャック『あとはあの亜空間バリアーを…!!』 ティガ『!……よし』 QB『!…』 Uキラー「ギャォァアアアアアァ!!!」 バシュシュシュッ! 怒り狂うUキラーザウルスの全身から、 あらゆる方向に雷撃、光弾、ミサイルが放たる ティガ「……ハッ!」 シュゥン ティガ(S)「ジュアッ!!」バッ 交差させた両腕を振り下ろし、スカイタイプにチェンジするティガ そのまま攻撃を避け、Uキラーザウルスの頭部に向かって飛行する QB『!!…速い…!』 シュゥゥゥウウ Uキラー「!?…グ…グゥゥゥウウウ!!」 超高速で飛び回り、翻弄するティガ 触手をほとんど斬り落とされたUキラーザウルスはティガを止めることは出来なかった QB『くぅううう…!!』 ティガ「…」 ティガ(S)『今だ!!』 QB『…!!?』 Uキラー「グルゥ…!!」 QB『……上か!?』 Uキラー「グォオオオォオオオォ!!」 Uキラーザウルスが大きく首を持ち上げて、 遥か上空から迫る三人へ咆える ゴォォォオオオ… メビウス「ハァァァアアッ!!!」 杏子・さやか「「うぉぉおああああっ!!!」」 メビウスの手から飛び降りた杏子とさやか 二人の魔力を纏わせた武器がUキラーザウルスの頭部を狙い、 メビウスが落下の勢いを加えたキックを繰り出す ティガ(S)「…!」シュン Uキラーザウルスの前から飛び去るティガ QB『!…そっちは囮だったってワケかい…!!』 ほむら「チャンス…!!」 ガイア『!! 今です!あのバリアーに…!』 マン「シュワ!!」 セブン「デュワ!!」 ジャック「シェアァッ!」 エース「デァアアッ!」 バシュゥゥゥウウ!! ガイアがまどか達を守りながら叫ぶと同時に、 四兄弟がUキラーザウルスの頭部へ向けて、地上から必殺光線を放つ Uキラー「グォォオオ!!」 QB『だが…!』シュン バチバチバチバチッ!! 七人の攻撃が亜空間バリアーのに直撃 耳を劈く轟音が鳴り響き、強烈な閃光が辺りを照らすが、 バリアーの破壊までには至らない 杏子「くっ、そぉおっ!!」 さやか「く…ぅぅううう!!」 メビウス『…!』 グググッ QB『不意打ち気味の狙いは悪く無かったが……もう一押し足りなかったね…!!』 さやか「っ…!…うっ!!」 メビウス『……ならもう一押しだ!!』 QB『…!?』 メビウス「ハッ!!」シュイン 光と共にメビウスの体を炎が包み込み、 強化形態、バーニングブレイブへと姿を変える メビウス(BB)『二人とも!続いて!!』 さやか「え!?」 杏子「何だ!?」 バチバチバチ…! メビウス(BB)「ハァァアアアアア…!!」 バリアーに接触した右足を軸に、高速回転を始める Uキラー「!? グゥゥウッ!!」 QB『何をする気だい…!?』 バチバチバチバチッ!! QB『!!…キックの威力が…!』 メビウスの足元からさらに強烈な火花が散り、 その火花は螺旋を描きながら円錐状の炎を起こす 杏子「あ、アレに続けってか!?」 さやか「やるしかないよ!!」グンッ 杏子「…あ~っ!もうっ!!やってやるよ!!」グンッ さやかが突き立てた剣を軸に、 杏子が槍を軸にしてメビウスに続いて高速回転する メビウス(BB)「セァアアアーーーーッ!!」 さやか・杏子「「だぁぁああーーーーーっ!!!」」 バチバチバチバチッ!! ピシッ QB『!!…そ、そんな…!バリアーが…!!!』 パキィィイイン…! Uキラー「!!?」 セブン『…!』 マン『よし…!』 ガラスの砕け散るような音を響かせて、 亜空間バリアーはエネルギーの粒子を散らし、消滅する 杏子「うわぁっ!!」 さやか「あっ!?」 ポスッ メビウス(BB)『二人とも!お疲れ様!』シュン バリアー消滅時の衝撃で吹き飛ばされた二人を手で受け止め、その場から飛び去るメビウス 杏子「ど…どうだ…!」 さやか「う……目が回る…」 ほむら「!!」 マミ「鹿目さんっ!!」 まどか「……っ!」ググッ まどかが弓を引く手に、より一層力を入れる QB『…!……鹿目…まどか!!』 Uキラー「ゴォァァアアアアアァッ!!!」 ガシュン! まどか「うっ…!」 マミ「!!…あ、危な…」 Uキラーザウスの腹部から巨大なクワガタの鋏の様な牙が飛び出し、 まどかを狙う ガイア「!…ディヤッ!!」 ガシッ! Uキラー「ガ…ァアアアア!!」 マミ「我夢さん…!!」 QB『っ…まだそんなパワーが…!!』 Uキラーザウルスの牙を受け止め、 まどか達を背中に庇うガイア ガイア「グ…ゥゥウウウ…!」シュゥウ… Uキラー「ガァォォァアアッ!!」 バキバキバキッ… ガイア「ディヤァァアアアアッ!!」 バキッ! QB『がっ…!!』 体を赤く発光させたガイアがUキラーザウルスの牙をへし折り、その場から飛び退く ガイア(エネルギーが足りずに変身は出来なかったが……これなら!) QB『ま…不味い…!!』 マミ「…今よ!」グッ ほむら「まどかっ!!」グッ 魔力を送り込む手に力を込める二人 まどか「……っ!」 Uキラーザウルスの巨大な姿、バリアーが消えて完全に無防備な頭部 そこを真っ直ぐに見据えて、放つ まどか「たぁぁあーーーーーっ!!!」 バシュッ!! QB『うっ!?』 まどかの放った矢がUキラーザウルスの頭部へ、 風を切り裂き一直線に飛ぶ ズバシュッ!! Uキラー「グゴァッ……!!」 QB『!!!』 桃色の矢は、黄色と紫の光の筋を纏い、 Uキラーザウルスの下顎を打ち上げるように直撃 頭部を吹き飛ばし そのダメージは額の結晶体と同化したキュウべえにも致命的なダメージを与える ダイナ『…!!』 ティガ『勝った……か?』 ズシン 巨大な頭部がUキラーザウルスの足元に落下すると同時に、 胴体がゆっくりと沈み込むように倒れ込む 杏子「また何かあるんじゃないか…?」 さやか「……アンタそれ笑えない」 メビウス『いや…そんなことは…』 マミ「やった……の?」 ほむら「…」 まどか「……」スッ 確かな手応えを感じたまどかが弓を下ろす サァァァアア… マン『……む?』 ジャック『…』 ガラガラガラ… エース『いや……もう立ち上がることは無いだろう』 セブン『奴の最期だ…』 Uキラーザウルスの身体が少しづつ灰になり、 音を立てて崩れ落ちる Uキラー「………………」シュー ピシッ ガイア『……?』 パキパキパキッ 静寂が支配する中、 空に赤い亀裂が入り、不気味な音が響き渡る ほむら「!!……」 ガイア『!…気をつけて!まだ何か来る!!』 エース『あれは…!』 さやか「ほらぁ!アンタが余計なこと言うから!」 杏子「あ、アタシのせいか!?」 セブン『落ち着け!何が出てくるか分からんぞ!』 予想外の事態に全員が後ずさり、空の亀裂を睨む バリーン! ズズンッ! ???「フシュゥゥウ……」 ???「……」 ???「グルル…」 マン『…!!』 まどか「!?…か…怪獣!?」 空がガラスの様に砕け散り、その向こう、別の空間から 三体の巨大な怪物が出現する メビウス『…エース兄さん!』 ジャック『エース!…これはまさか……』 エース『ええ、間違いありません……超獣です!』 マミ「超獣…?」 三体の超獣とエースの姿を交互に見つめ、マミが呟く 杏子「ここにきて面倒くさそうな奴等が出やがったな…!」 エース『奴が絡んできている以上…超獣の出現は避けられないとは思っていたが…』ググッ 固く握り締めた両手の拳を怒りに震わせながら、 超獣に戦いの構えを取る ダイナ『ま、待ってくれ!こっちにも分かるように説明してくれよ!』 超獣1『……』 超獣2『…ギィィイイ…』 獲物を見つけた獣のように唸り声を上げ、超獣達がウルトラ戦士と魔法少女達に滲み寄る ほむら「!……来るわ…」 ティガ『不味い…こちらにはもうほとんどエネルギーが残っていない…!』 エース『超獣とは手短に説明すると…』 エース『異次元人ヤプールが別々の生物を合成させることで生み出した…怪獣兵器といったところか』 まどか「ヤプール…!」 表情を険しくして、武器を構えるまどか ガイア『他の生物との合成…?』 マン『……だがこの三体は何の超獣だ?見たことが無いタイプだが…』 超獣3「グルルルゥ……」 さやか「……ん?」 目の前に現れた超獣達 その体色は頭の先から尻尾まで不気味なまでに白く 両目は鋭く発光し、宝石のように赤い 頭部から垂れ下がった長大な耳のような部位、 その先には浮く様に固定された金色のリング そして背中には一同にとって見覚えのある特徴的な赤い印があった さやか「ねぇ……こ、こいつら…もしかして」 マミ「まさか……」 超獣1「グォォオオオォ!!!」ズンッ ほむら「…!!」 杏子「来やがったぜ…!」チャキ シュンッ ドガッ! 超獣1「グァギャ……!!」ズズンッ さやか「……え?」 牙を剥き、襲い掛かろうと駆け出した超獣が、 空の彼方より現れた二人の巨人に蹴り飛ばされ、瓦礫の上に転がる まどか「あ…!!」 マン『…彼等は…!』 超獣2「!?……グゥゥ…!!」 超獣3「ギャォアアアア!!」 コスモス(C)『そのまさかだよ……マミさん』 ネクサス『なんとか戻って来れたか…!』 二体の超獣が、 仲間を蹴り飛ばした銀色の巨人ウルトラマンネクサスと、 太陽の炎の様な赤い姿、コロナモードに変身したウルトラマンコスモスを睨み付け、咆哮する ほむら「あのウルトラマン……孤門…!」 杏子「ムサシ!無事だったんだな!!」 突然の二人のウルトラマンの帰還に歓喜の声を上げる マミ「そのまさかってやっぱり…」 さやか「じゃああの超獣は!」 ネクサス『…話は後だ!』 キュイン! コスモス(C)『まずはこの状況を…!』 超獣1「!!……」 コスモス(C)「ハァァアアア……」 シュゥウ… コスモス(C)「デヤッ!!」 コスモスが両腕に灼熱のエネルギーを球状に集束させ、 炎の破壊光弾、プロミネンスボールを打ち出す コスモス(C)『孤門さん!今です!!』 ネクサス「!!…シュアッ!」バシュッ コスモスが叫ぶと同時にネクサスが両腕をクロスさせ、 三日月状のエネルギーをプロミネンスボールに放つ 超獣2「…!!」 超獣3「ギッ!?」 ドガァァァアアン…! ネクサス「……」 コスモス(C)「……」 エネルギー刃はプロミネンスボールを起爆させ、三体の超獣達の前で炸裂 拡散した灼熱のエネルギーは超獣達を焼き払い、消滅させる さやか「すごい…!一気に三体も…」 まどか「……」 ダイナ『…とりあえずこれで全員集合だな!』 五人の魔法少女と十人のウルトラマンが一ヶ所に集う マミ「あの…孤門さん…あの怪物はやっぱり…」 ネクサス『…その答えは奴等に聞いた方が早そうだ』 さやか「え…?」 バリーン! ヤプール「…結局…こいつらを始末することは出来なかったか」 ???「まぁ…いいんじゃないかな?ここまでは想定内だし」 再び空間が割れ、 その向こうからヤプールと少女達にとって見覚えのある白い生物が現れる エース『出たな…ヤプール!!』 まどか「……!!」 マミ「え……キュウべえ…よね?」 ほむら「違うわ。別個体よ…私達が知るインキュベーターとは別…」 ヤプールの足元の生物を見て驚き、呟くマミ そのマミにほむらが冷静に答える インキュベーター「……」 ほむら「インキュベーター…答えてもらうわよ」 マミ「……私達をおそったあの生物は…」 インキュベーター「超獣だよ……僕達インキュベーターをベースにした…ね」 ヤプール「私の超獣製造機を利用して作り出した」 ガイア『超獣製造機…?』 エース『貴様っ!……またそんなものを持ち出してきたのか…!!』 エースが感情を露わにし、ヤプールを睨み付ける インキュベーター「さて……仕事だよ」 ヤプール「うむ…」スッ ヤプールとインキュベーターが歩き出し、 今尚灰化が進むUキラーザウルスの亡骸に手をかざす QB「………………う…」ピクッ マミ「!!…キュウべえ…?」 ヤプール「!…まだ息があったか」 インキュベーター「死んでいた方が幸せだったのかもしれないのにね」 QB「……ぁ……な、何…を…」 既に虫の息なキュウべえが、ヤプールの姿を見上げる ヤプール「ワルプルギスとの戦闘でウルトラマン達が現れず…尚且つUキラーザウルスが敗れた今…」 インキュベーター「もしもの時の為の保険…使わせてもらうよ」 シュゥゥウウ… QB「う゛…っ!?……あ……そん…な…!!」 ほむら「…!」 メビウス『な…!?あれは…!』 キュウべえの身体から黒い霧状の生物、 宇宙同化獣ガディバが抜け出し、ヤプールの手に戻る ヤプール「よし…十分なデータだ」 インキュベーター「この場にいる者達全員のデータ…これで集まったね」 QB「なん…で……なんで……僕…に」 サァァァアア… インキュベーター「……君、本当は気付いてるんだろう?」 QB「……」 インキュベーター「魔法少女……多数のイレギュラー達との接触で……」 インキュベーター「君の中に感情が芽生えてきたことにね」 QB「!!……う…そ……だ…」 インキュベーター「嘘なもんか!…ほらヤプール、見せてあげなよ」 ヤプール「ああ…」スッ 差し出したヤプールの右手の上に、 不気味な黒いエネルギー球が出現する ヤプール「たった今回収できた……お前の絶望のエネルギーだ」 QB「!!!」 インキュベーター「感情の無い生物からはこんなもの回収できないよね?」 QB「……ぁ…ぁぅ……」 インキュベーター「欠陥品は処分しなくちゃ」 ほむら(…まさかとは思ったけど……やはり…) インキュベーター「ヤプールが君の変化に早目に気付いてくれてよかったよ」 ヤプール「魔法少女達がソウルジェムの秘密を知ったあの夜…」 ヤプール「絶望する巴マミを見ていたお前の中の…微かな揺らぎに気付いた」 ほむら「!……あの日から既に…」 マミ「……キュウべえ…」 QB「…」 ヤプール「おかげで…ワルプルギスと戦闘しなかった者達のデータも取れた…」 ティガ『!…』 ダイナ『俺達の事か…!?』 ガイア『…』 ヤプール「それだけでは無い」 ヤプール「そこにいるウルトラ兄弟達がUキラーザウルスと戦闘出来るように…あの空間に歪みを作ったのも私だ」 マン『…我々のデータも完全に取られたというわけか』 セブン『エースの言う通り…あれは初めから仕組まれていたのか』 ジャック『……用意周到な奴らだ』 エース『仲間を捨て駒のように使うとは……』 メビウス『…こんな…酷い…』 インキュベーター「全てのイレギュラー達のデータは回収済みだ」 ヤプール「しかし…一番のイレギュラーは…」 インキュベーター「……」 一人と一匹の視線が、 一人の魔法少女に注がれる まどか「……」 マン(……この子…か) ヤプール「鹿目まどか……お前は何なんだ?」 インキュベーター「精神攻撃を跳ね除けて…別のイレギュラー達の助けがあったとは言え…生還するとは」 まどか「……」グッ QB「ぁ……ぁ…」 サァァァアア… マミ「!」 マミ「…キュウべえ…!」 杏子「待てマミ!崩れるぞ!」ガシッ マミ「っ…で、でも…!」 キュウべえの元へ駆け出そうとしたマミを引き止める QB「………マ…ミ…」 QB「………」 QB「…」 ガラガラ サァァァアア… キュウべえの身体が Uキラーザウルスから崩れ落ちた灰の中に消える マミ「あ…ぁ……」 ダイナ『……』 セブン『何故だ…?何故そうまでしてエネルギーに拘る?』 ほむら「……インキュベーター、あなた達の目的は何?」 インキュベーター「…宇宙延命のため。それは変わらないよ」 メビウス『だったら…!!』 インキュベーター「だが延命というのは…一時的な滅びから逃れるだけの『逃げ』の手段だ」 インキュベーター「またいつ滅びの危機を迎えるかわかったもんじゃない」 インキュベーター「だからいらないものは…切り捨てなくちゃあいけないんだ」 杏子「なんだと…!」 インキュベーター「例えば…野蛮で愚かな地球人類とかね」 さやか「…!!」 インキュベーター「新しい宇宙に存在することが許されるのは…」 インキュベーター「何者にも倒されず…壊されず…」 インキュベーター「互いに争い合うことの無い、無駄な『感情』というものを切り捨てた生物のみ」 さやか「あたし達はいらないっての!?」 インキュベーター「そういうことになるね」 インキュベーター「…確かに僕達の言っていることは夢物語に聞こえると思うけどね」 インキュベーター「ヤプールの接触でもたらされた技術で…僕達の唯一の欠点だった個々の肉体の弱さ」 インキュベーター「それも完全に克服済み」 インキュベーター「既に超獣製造機により全インキュベーターの改造は完了した」 エース『!!……なんということだ…!』 セブン『…愚かなことを……』 インキュベーター「素晴らしいよ…この肉体は…」 ほむら「見た目的には何の変化も感じられないのだけれど…?」 インキュベーター「自分の意思で…君達が見たあの巨大な超獣の姿になれるからね」 インキュベーター「手に入れたデータで強化された超獣は…ウルトラマン達とも互角に渡り合えるだろう」 ジャック『…個々の戦闘力が跳ね上がったというわけか』 まどか「…」 杏子「マジかよ…」 マミ「そんな奴が…何体も…」 魔法少女達の顔が絶望に染まる ヤプール「……」 インキュベーター「…さて本題に入ろうか」 インキュベーター「僕達が管理することになる新しい宇宙…」 インキュベーター「そこにヤプールの技術を施せば…無益な争いなど全て無くなり…」 インキュベーター「夢物語が現実のものとなるだろう」 ほむら「…何が言いたいのかしら?」 インキュベーター「…君達が望むのなら…」 インキュベーター「新しい宇宙に迎え入れてあげてもいいかな…と思ってね」 さやか「!…」 マミ「!!」 ほむら「……」 杏子「ふん…」 まどか「……」 ティガ『!!…』 ダイナ『ふざけんな!こいつらがお前らなんかに…』 インキュベーター「君達には聞いていないんだよ…僕は魔法少女達に聞いてるんだ」 ヤプール「さぁ、答えを聞こうか?」 チャキッ ほむら「聞くまでも無いでしょう?」 杏子「お前らの手先になるくらいなら…死んだ方がマシだね」 武器を突きつけ、 インキュベーターの誘いを一蹴する二人 インキュベーター「…まぁ君達はそう言うと思ったよ」 ヤプール「では巴マミ、美樹さやか…お前達はどうだ?」 マン『…』 メビウス『…兄さん達…』 セブン『メビウス…今は見ていろ』 ヤプールが手を差し伸べ、マミとさやかに滲み寄る ヤプール「お前達は愚かな人間達に絶望したのではないのか?」 インキュベーター「人間に見切りをつけてこちら側にくるのが賢明だとおもうけどなぁ」 さやか「……」 マミ「私は…」 マミ「……」チラッ 既に原形が失われつつあるUキラーザウルスの亡骸を一瞥し、 マミがマスケット銃を構える マミ「仲間を捨て駒にするような人達は…信用できないわね」 チャキン さやか「…ま…あたしは最初から信用できないとは思ってましたけどね…っと」 マミに続き、 さやかも剣の切っ先をヤプールに向ける ヤプール『……』 インキュベーター「…じゃあ」 まどか「わたしも行く気は無いよ」 インキュベーターの視線の先の少女、 まどかがきっぱりと言い放つ まどか「ここであなた達に屈したら……みんな嘘になるから…!」 ヤプール「…ふうん」 マン『解かるかインキュベーター…これが彼女達の答えだ』 セブン『生命を弄び、可能性を奪うことは許されることではない!』 インキュベーター「…」 ティガ『一つの生命が他の生命を完全に管理し、貪り尽くすなんて不自然だ』 コスモス『心無き力はいずれ滅びる!』 インキュベーター「…ならば君達が滅びるがいいよ。僕達の力の前に」 ヤプール「…」スッ バリーン! ヤプールが手を掲げ、再び空間に穴を開ける ヤプール「…既に我々の母艦が月の裏側に待機している」 インキュベーター「…それに伴い全インキュベーターが地球の周辺宙域に集結してるよ」 メビウス『!!』 マン『なんだと…!?』 さやか「そんな…!」 杏子「総力戦かよ…上等じゃん」 インキュベーター達の答えに驚愕する一同 インキュベーター「今から五日後の正午…この町に超獣を一斉に送り込む」 ヤプール「そして邪魔な貴様達を消し去った後、地球全土に超獣を送り込み…」 ヤプール「地球を制圧した後には人類全てを超獣に改造してやろう!」 エース『……悪魔め』 インキュベーター「…じゃあね。交渉は決裂ってことで」 ヤプール(…もうこれも必要無いな)スッ チャリン ヤプール「精々残された時間を楽しむかがいい………ふふ…ふふふふ…」 シュゥウウ… 不気味な笑い声を残し、 次元の穴の向こうへ消える一人と一匹 まどか(?………あれは…) さやか「……」 杏子「ちっ……人を見下したような笑い方しやがって…」 タッタッタッ… まどか「…あ」 ヤプールが消え去った地点、 そこに落とされた物を拾い上げる まどか「これ…わたしの…だよね…?」 拾い上げられた物は、 まどかがヤプールに奪われたはずの小さなアクセサリー しかし以前の透き通る様な輝きは失われ、 化石の様な冷たい灰色になっていた まどか(……こんな色じゃなかったのに…なんでだろ) まどか「…」スッ 自身の頭の中に浮かんだ疑問を残し、拾い上げたアクセサリーを首に掛け直す まどか(今は…それどころじゃないかな) …………………………………… …………………………………… ハヤタ「……すまない、結局別世界の君達まで巻き込むことになってしまって…」 廃墟と化した町で、 人間体に戻ったウルトラマン達が一ヶ所に集う アスカ「困った時はお互い様じゃないっすか!」 我夢「僕達も危ないところを助けてもらいましたしね」 孤門「それに…奴等をこのまま放っておくことなんてできませんよ」 ダン「……とにかくみんな無事でなによりだ」 郷「しかし…奴等と戦うとなったらそれなりに対策を立てておいた方がいいな」 北斗「ええ…今回の戦いで俺達の光エネルギーは殆どが失われてしまいましたからね」 ダイゴ「……とにかく今はマミさんの家に戻りましょう」 ダン「ああ……」 ムサシ「……えーっとあとは…」 ほむら「…」 さやか「…」 マミ「…」 杏子「…」 まどか「………」 ミライ「…」ハラハラ 少女達を落ち着かない様子で見つめるミライ まどか「……えっと…みんな…」 頼りなさげに、何も無い方へ何度か視線を泳がせ、 再び四人へ向き直るまどか まどか「心配掛けて……本当にごめ――」 ベシッ まどか「痛っ!?」 唐突に頭を叩かれ、言葉を謝罪の言葉を遮られる さやか「…ばか」 杏子「へへっ………バーカ」 小さく歯を見せて、 杏子とさやかが悪戯っぽく笑う さやか「……まぁあたしも人の事そんな言えないけどさ」 杏子「でも…無事だとは思ってたけどな、アタシは!」 まどか「……あはは」 まどかの口から自然に短い苦笑いがこぼれる マミ「鹿目さん…」 まどか「!…マミさん…」 マミ「本当に……よく無事で…」 マミがそっと微笑み、 包み込むような優しい笑顔をまどかに向ける まどか「……はいっ!」 ほむら「……」クルッ まどか(…!) ほむらが踵を返し、廃墟の町へ向かう 杏子「お…おい、ほむら!」 ほむら「無事でよかったわ。まどか」 振り返ること無く、ほむらが小さく呟く マミ(…!) 杏子(お……っと) さやか「…どこ行くの?」 ほむら「……ディバイトランチャーをさっきの戦闘で落とした…拾ってくるわ」 さやか「…ふーん」 タッタッタッ まどか「あ……わたしも行ってくるよ」 ほむらの後を追い、まどかが駆け出す ミライ「あ!…僕達も行った方が…」 さやか「分かってないなぁ先生!」 ガシッ ミライ「え!?…な、なんで?」 まどかが駆け出してすぐに後を追おうとするミライ その袖を持ち、さやかが引き止める さやか「こういうのは少し待ってから行くもんだって!」 杏子「おっ!分かってんじゃんさやか!」 マミ「あらあら…」 ミライ「そういうものなの…?」 少女達は気付いていた 無愛想に答えたほむらの肩が少し震えていたことに ハヤタ「ははは…」 ダン「……俺達は先に戻っているぞ」 溜息混じりに笑い ダン達がその場から立ち去る …………………………………… …………………………………… ほむら「……」カチャカチャ 瓦礫の上に腰を掛け、拾い上げたディバイトランチャーを弄り、 盾に収納する まどか「…ほむらちゃん」スッ ほむら「…!」 その背後から近づいたまどかが 後ろからほむらの肩に手をまわし、優しく抱きしめる まどか「わたし……ね」 まどか「みんなと別れて……独りぼっちになった時にね…解ったんだ」 まどか「ほむらちゃんが……どんなに傷ついて…苦しんで…わたしの為に戦ってくれてたか…って」ジワッ ほむら「!!」 まどか「あは……我慢…してたけど……駄目だなぁ…わたし…」ポロ ほむら「!…まどか…」 まどか「ほむらちゃん…っ…が…我慢してた……か…ら」 まどか「わたしも…我慢しようと…思ってたん…だけどな…」ポロポロ 零れ落ちる涙を拭わず、 ほむらの耳元で囁き続ける まどか「でも……今は…今だけ…は」ポロポロ ほむら「っ……うっ…く…ひっ………く…」ジワッ まどかと顔を合わせず、声を押し殺して ほむらが肩を震わす まどか「……ちょっとだけ…泣いても……いいよね…」 ほむら「っ……まど…かっ……!!」ガバッ 感極まったほむらがまどかに抱きつく 振り返ったほむらの顔は涙で濡れていた …………………………………… …………………………………… 杏子「おーおー…見せつけてくれるねぇ…」 さやか「あいつ素直じゃないなぁ…」 涙を流して抱き合う二人 その姿を廃墟の陰から見つめる四人 マミ「いいのかしら……盗み見なんて…」 ミライ「え!?こ、これ悪い事だったの……?」 目を丸くして驚くミライ さやか「遅いよ!?」 杏子「まぁ時と場合によるというか…何というか……」 …………………………………… …………………………………… ほむら「ひっ…く……まど…かぁぁ…」 まどか「うん……うんっ…!」 溢れ出す思いを抑えようともせず、 お互いの身体をきつく、親に縋り付く子供のように抱き合う ほむら「よかっ……た…ほん……とに…!」 まどか「ごめんね…ほむらちゃんっ……」 二人が声を上げ、涙を流し、鼻声でお互いの名を呼び合う ほむら「もう…どこへも……行かないっ……で……!」ギュッ まどか「うん……みんなで…ずっと一緒にいよう…!?」ギュッ ほむら(もう……離さない…離したくない…) まどか(ありがとう……ほむらちゃん…) まどか(わたしの…最高の…友達……) ~次回予告~ …………………………………… 杏子「おい!これ外せよーっ!!」 さやか「えーっと動けないんですけど…」 ダン「甘えるな!!」 …………………………………… マミ「私…あの時、ヤプールの言葉が…ちょっと心に突き刺さったんですよね」 郷「…」 …………………………………… 北斗「あれはウルトラの星と言ってな…」 さやか「ウルトラの星?」 …………………………………… マン『この…砂漠の砂一粒を狙い撃ちにするかのような精度…』 メビウス『まさか…!』 …………………………………… まどか「あなたは…?」 ???「俺はご覧の通り風来坊よ!」 セブン『こ、こいつ…』 …………………………………… ヤプール「教えてやる…真の計画を!!」 …………………………………… ほむら「世界の…終焉…」 BACKまどか「…ウルトラマン!」 11 NEXT まどか「…ウルトラマン!」 13
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まどか〔まどか〕 作品名:CR南国育ち 作者名:スパロボあき 投稿日:2010年8月22日 画像情報:640×480px サイズ:86,129 byte ジャンル:[[]] キャラ情報 このぐぬコラについて コメント 名前 コメント 登録タグ 2010年8月22日 CR南国育ち スパロボあき 個別ま
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…………………………………… ~宇宙~ 大超獣「グルル……」 宇宙空間での戦闘 襲い掛かる超獣達を次々に撃破した戦士達 しかし度重なる戦闘でそのエネルギーも限界に近付きつつあった ヒカリ『くっ……残りの大型はコイツ一体だと言うのに!』グッ レオ『やめろヒカリ!むやみに突っ込んだところでヤツにトドメをさすことは出来ない!』 飛びだそうとするヒカリを制止する ヒカリ『ならどうしろというのだ!』 レオ『…幸いヤツ自身もかなりの深手を負っている』 レオ『今のヤツの再生能力を上回る一撃を叩きこむしかないだろう』 80『…しかし今、ここにいる者全員がエネルギー不足です…』 タロウ『……』 シュゥウ… ネオス『!!…見てください、ヤツの傷が!』 大超獣「……」 大超獣が全身に負った多くの傷口が、少しづつ音を立てて閉じ始める マックス『もう再生が始まったのか!?』 ゼノン『時間が無い!ここは全員で一斉に…』 タロウ『それは駄目だ!コイツを倒したとしてもやつらの戦力はまだ残っている!』 タロウ『ここで全員のエネルギーを使うのはあまりにも危険だ!』 グレート『……ならどうするのです?』 タロウ『……やむを得ない。ウルトラダイナマイトを……』 シューン しかし、 タロウが決断を下そうとしたその瞬間 二つの真っ赤な光が駆けつける ???1『はいはいはい!その役目、僕達に任せてくださいよ!』 ???2『達って……やっぱり僕もやるのか…』 レオ『!?』 ヒカリ『なんだ!?』 タロウ『君達は?』 突然現れた二人の赤いウルトラマン 呆気に取られる一同をよそに、元気な声が響く ナイス『あ…ちょ、ちょっと通りすがった者でして……』 ゼアス『まぁまぁ説明なんていいでしょ!』 ナイスを引っ張り、大超獣の前に立つゼアス ゼアス『まずあれなんとかしなくちゃ!ね!?』 ナイス『…まぁここまで来ちゃったし』 タロウ『…まったく状況が飲み込めんが…頼めるか?』 ゼアス『任せてくださいって!……いくよ!』グッ ナイス『…よーし!』グッ 未だに状況が飲み込めない一同を完全に無視した二人が前に進み出て、 大超獣に向けて必殺光線の構えを取る シュゥウ… ゼアス『……受けてみろ!』 シュバッ! ゼアス『スペシュシュラ光線!!』 ナイス『ベリーナイス…光線ー!!』 放たれる光線 しかし… ビュン! パワード『ぬおっ!?』 べス『あら』 ゼアスのスペシュシュラ光線は何故か後ろ向きに飛ぶ 一直線に飛んで来たそれを間一髪のところで回避するパワード ゼアス『あ、あれぇ~……?』 ヒカリ『……おい、真面目にやる気が無いのなら…』 ゼアス『いやいやいや!!久しぶりでちょっとコツが……ね?』 とぼけた雰囲気のゼアスを睨み付けるヒカリ ナイス『あれ?光線ってどうやって出すんだっけ?』 レオ『……』 ナイスが腕をクロスさせ、なにも起こらない その様子に呆れる一同 タロウ『…やはり私が!』 ゼアス『だぁ~いじょうぶですって!!よーし今度こそ!!』バッ ゼアス「ハァァアア………」 気合いを入れてもう一度 精神を集中させ、構えを取るゼアス ナイス(おかしいな……なんで?)クイッ バシュッ!! ナイス『あ!出来た!!』 首を傾げた瞬間、ナイスの腕から勢い良く放たれる光線 ゼアス「セアッ!!」 バシュッ!! それと同時に再び放たれたゼアスの光線 その二つが合わさり、動きの止まった大超獣へ一直線に飛ぶ 大超獣「!!!」 ドガァァアアン!! ヒカリ『!!』 レオ『おお……!』 合体光線を受けた大超獣は粉々に吹き飛び、 もう二度と再生することはなかった ゼアス『やったーー!!』 ナイス『ほっ……』 レオ『……一時はどうなる事かと思ったが…』 ヒカリ『ああ、中々の実力を持っているようだ』 予想外の力を見せつけられ、驚きを隠せない一同 タロウ『一働きしてもらったばかりで悪いが…君達が何者なのか説明してくれないか?』 ゼアス『あ、え~っとですね……』 ナイス『僕達は――』 …………………………………… …………………………………… ~見滝原~ 大超獣「ギャァ!!」 ゾフィー『今だ!一気に持ち上げる!!』 マン『まどか!仕上げは君に任せるぞ!』 まどか「は、はいっ!!」グッ 攻撃を受けて倒れ込む大超獣 まどかへ言い放つと同時に大超獣の懐に飛び込む六人 メビウス「セアッ!!」 セブン「デュワッ!」 グンッ 大超獣『!!?』 一気に上空へと運び去られる大超獣 その隙にまどかが最大の技を放つため、魔力を一気に解き放つ まどか(あれだけ特訓したんだ…きっと出来る) まどか(マミさんに教えてもらった武器を変化させる能力……その応用……!) まどか「たぁっ!!」パシュ 宙に舞う魔力を帯びた杖 それは光に包まれたまま形を変えてまどかの左腕に集まり、 手首を中心に弓の形を形成する まどか「よしっ……!」グッ 構えを取り、上空の大超獣を真っ直ぐに見据える その左腕の弓はネクサスの技、アローレイシュトロームに酷似していた まどか「はぁぁあああっ………!!」 シュゥウ… エース『今だ!!』 ジャック「シュアッ!!」 集束するエネルギー それをみた六人は一斉に力を込めて大超獣を投げ飛ばす マン『まどか!!』 まどか「っ……たぁぁああーーーっ!!」 ドシュン!! ドガッ! 大超獣「ガッ!?」 落下する大超獣へと飛んだ弓状の光波はその巨体に直撃し、 貫通、桃色の粒子が飛び散る 大超獣「ガッ…カッ……」 シュウウ… その傷口から広がった光が全身を包み込み、 大超獣は地上へ落下する前に完全に消滅した まどか「………ふうぅ」ペタン 全身の力が抜け、その場にへたり込むまどか ズシン マン『よくやったな。まどか』 まどか「!…えへへ…」 大超獣の消滅と同時に地上に降り立つ六人 マンの言葉にまどかは顔を少し赤らめて、小さく笑う まどか「でも…これで終わりなんですか?」 セブン『どうだろうな…まだ敵の黒幕を叩いていないからなんとも…』 エース『ヤプール……』 ゴゴゴゴ…… メビウス「!?」 ゾフィー『どうやら上手くやったようだな』 ジャック『あれは!?』 一同の遥か上空 暗く曇った空の中に浮かび上がる一際大きな黒い塊 インキュベーターの母艦が姿をその現す セブン『ここまで落ちてきていたのか…』 ゾフィー(我々の肉眼で確認できるという事は既にダメージを受けているという事か……) まどか「あの中に…ヤプール達が?」 マン『そうだろうな。ヤツをなんとかしなければ次々に超獣が送り込まれてくるだろう』 シュゥン ゾフィー『…どうやらさっそくお出ましの様だ』 エース『!!……まだこれ程の数が…』 ズズンッ 超獣「グゥウゥ……」 まどか「あぁっ…!?」 地上にいる一同と遥か上空に浮かぶ母艦 その間に阻むように大量の超獣が空間を破り、出現する その数は今まで撃破してきた数をさらに上回っていた まどか「そんな……まだこんなに…!?」 メビウス『これじゃきりが無い!!』 まどかの表情がさらなる絶望に歪む セブン『くっ……こいつらの相手をしていてはいつまでたってもヤツの所へ辿り着けん!』 ジャック『…来ます!!』 ゴォッ 超獣「グギャアアアア!!」 まどか「くぅっ…!」グッ まどかが弓を握り直し、立ち上がる 一同が休む間もなく、おぞましい数の超獣達が容赦なく襲い掛って来る しかし… ドガガガガッ! 超獣「グギャッ!?」 まどか「えっ!?」 辺りに巻き起こる爆発 超獣達は怯み、その動きを止める ネクサス「ハァッ!!」 ティガ「ジュア!」 ダイナ「ディアァッ!!」 超獣「!?……」 上空に現れた三人のウルトラマン達の一斉攻撃を受け、 数体が爆発四散する セブン『あれは…!』 マン『!! 孤門達、無事だったのか!』 ネクサス『はい!』 ダイナ『全員バッチリ無事だぜ!!』 ティガ『こちらは全て片付きました!あと一息です!』 地上に降り立った三人がマン達に駆け寄る まどか「……ということは」 超獣「グゥウゥ……」 ドガガッ! 超獣「ギァアアッ!!」 まどか「!!……やっぱり…!」 雨の様に降り注ぐ魔力を纏った弾丸 それがの体に当たると同時に連続して爆発が巻き起こり、 まどかの目の前に迫る超獣を撃破する スタッ ほむら「………」 マミ「鹿目さん、無事!?ケガはない?」 まどか「来てくれたんですねマミさん!ほむらちゃん!!」 まどかが振り返った先には銃を担いだ二人の魔法少女 マミとほむらの姿があった ほむら「……まどか」 まどか「ほむらちゃん……」 まどかに駆け寄るほむら ほむら「私、生きてるよ…ちゃんと」グッ まどか「!……へへ……うんっ!わたしも!」 マミ「……ふふ」 まどかの手を握り締め、優しく微笑むほむら その姿を見てマミはくすりと笑う ズシン… 超獣「ガァルル……」 いきり立つ超獣が再開を喜ぶ三人に迫る マミ「! どうやらゆっくり話してる時間は無さそうね!」 ほむら「来たわ!まどか、あなたは私の後ろに……」チャキッ 銃を構え、超獣を見上げるマミ ほむらも同じくディバイトランチャーを握り直しまどかを後ろに退かせようとする しかしほむらの言葉を聞かず、まどかは前に進み出る ほむら「まどか…?」 まどか「ほむらちゃん、大丈夫だよ!わたしももう戦える!これからも一緒に!」 ほむら「!……ええ、そうね」 小さく笑い、肩を並べる三人が超獣を迎え撃つ 超獣「ガァアアア!!」 マミ「来る…!!」グッ マスケット銃を構え、超獣の顔面を狙うマミが引き金を引こうとする その瞬間 ザシュッ!! 超獣「!!!」ズズンッ まどか「わぁっ!?」 マミ「え!?」 ほむら「……どうやらあっちも来たみたいね」 さやか「お待たせ、ちょっと遅くなっちゃった!」 杏子「どうやらアタシ達が最後みたいだな」 背後から斬撃を受けて倒れ込む超獣 舞い上がる土煙の向こうから二人の魔法少女の姿が現れる まどか「さやかちゃんっ!よかったぁ~!」ガバッ さやか「おおっ!?なんか積極的だねまどか…」 さやかの姿が目に入るやいなやすかさず飛び付くまどか 苦笑いを浮かべながらさやかはそれを受け止める マミ「佐倉さんお疲れ様。無茶はしなかったでしょうね?」 杏子「え、えーっとその……まあなんつーか…はははは…」 マミ「もうっ!!あなたはこの前も…」 ほむら「マミ、あなたも人の事言えないわよ」 マミ「えっ…そ、それは…」 杏子「ほーれみろ!お前だってムチャクチャやったんだろ~!」 少し怒った顔で杏子に詰め寄るマミ しかしほむらに指摘され、言葉を詰まらせる ここぞとばかりに意地悪な笑いを浮かべ、杏子はマミを捲し立てる 再開を喜ぶ仲間達の体には所々に小さい傷があった ズシン ガイア『君達の負った傷は仲間を守るために負ったものだ。誇ってもいい』 コスモス『マミさんは君達仲間を心配してくれているんだ。そんなに意地悪しちゃいけないよ杏子ちゃん』 さやかと杏子に続いて地上に降りる二人のウルトラマン 杏子「へいへい………まぁわかってるけどな」 マミ「もう…」 コスモスに言われ少し不満気な態度を取る杏子 しかしその顔は少し照れ臭そうにだった その顔を見て同じくマミも照れ臭そうに視線を泳がせる まどか「あはは……でもこれで…」 ほむら「ええ」 マミ「ようやく」 さやか「全員集合…」 杏子「…ってところだな」 ザッ 五人の魔法少女がそれぞれの武器を構え、並び立つ マン『よし…!』 セブン『ああ!』 ザザザッ マンとセブンがお互いの顔を見合わせ、魔法少女達を背中に庇い並び立つ それに続く様に他のウルトラマン達も少女達を背に庇う様に並ぶ 総勢十名の巨人たちが魔法少女達を背中に庇い、円を作る ゾフィー『ウルトラマン、セブン!ここは…』 マン『ああ、わかっている。それしかない』 セブン『うむ、彼女達ならやってくれるだろう』 円の周囲から少しづつ迫り来る大量の超獣達 それらに構えつつ、話し続ける三人 まどか「ハヤタさん…?」 杏子「おい、なんのつもりだ!今更アタシ達に守られてろって言うのかい!?」 ほむら「私達の手持ちのグリーフシードはそれぞれ一個づつ……」 ほむら「でもここまできて見てるだけというのは御免よ」 さやか「あの黒ずくめのヤツをやっつけないといけないしさ!」 マミ「そうです!私達はまだ…!」 それぞれが険しい表情で一気に不満をぶつける しかし三人はいたって冷静で、少女達を見下ろす マン『これなら大丈夫だな』 セブン『まったく…頼もしいかぎりだな』 ゾフィー『よし……巴マミ!』 ピシュン マミ「えっ!?」ビクッ ゾフィーの指先から放たれたとても小さな光の球 それが頭に入りこんだ瞬間、体を大きく跳ね上がらせるマミ さやか「マミさん!?」 杏子「どうしたマミ!!」 マミ「頭の中に何かが……これは…地図?」 ゾフィー『その通りだ。あの遥か上空に浮かぶやつらの本拠地……そこのな』 空に浮かぶインキュベーターの母艦を指差すゾフィー そしてそれを見上げる一同 さやか「地図?なんでそんな物を?」 ほむら「!……まさか」 セブン『そうだ。お前達五人でやるんだ!』 マン『この事件の黒幕を倒し、五人揃って帰還する……君達に頼みたい』 まどか「!!」 さやか「ウルトラマンの力を借りずにあたし達だけで……か」 杏子「へへ……上等だよ」 武器を握り直し、意気込むさやかと杏子 マミ「この地図、どうして私に?」 ゾフィー『君が一番適任だと思ったからだ』 マミ「!!……」 ティガ『厄介事を請負う……君なら出来る。先輩らしいところを見せてやるんだ!』 マミ「……はい!」 ティガに激励され、決意を固めるマミ ゾフィー『ヤプールは恐らく艦の心臓である機関部、もしくはその周辺にいると思う』 マミ「分かりました!やってみせます!」 ゾフィー『……少し協力者が派手に暴れたからな。艦内に敵が残っているとは考えにくい』 セブン『…?』 杏子「道案内、よろしく頼むぜ~マミ?」 マミ「ふふ……任せなさい!」 さやか「おぉ……頼もしい…」 杏子が再び意地の悪い笑みを浮かべ、マミをからかうが一向に動じない まどか「……」 ほむら「まどか…不安?」 少し表情の暗いまどかを見て、ほむらが顔を覗き込む まどか「うん、ちょっとね……このお守りも光らなくなっちゃったし」 ほむら「…そう」 首から提げた灰色の石をまどかは悲しげに眺める まどか「で、でもみんなもいるし!わたし……」 ギュッ まどか「えっ?ほ、ほむらちゃん?」 まどかの手を掴み、握り締めるほむら その顔にはとても優しい笑みが浮かんでいた ほむら「昨日ね。布団の中であなたとこうした時に気付いたの」 まどか「?」 スッ まどかの手を握る右手に、ソウルジェムの宿った左手を添える ほむら「手を握ってもらうとね……ちょっとだけ勇気が出る」 まどか「!…ほむらちゃん……」 笑みを浮かべたまままどかの顔を見つめるほむら スッ 表情を戻し、 長い黒髪をなびかせながらまどかに背を向け、三人の所へ行くほむら ほむら「それに大丈夫、あなたは私が守るわ」 まどか「……で、でもわたしも――」 ほむら「だからね」 何かを言おうとしたまどかの言葉を遮り、代わりに言い放つ ほむら「あなたも私を守って…ね?」 まどか「!!…うんっ!任せてよ!」 笑顔でほむらの横に並び、少し離れた仲間達の所へ行くまどか それを見守るマンとセブン マン『さて、肝心の突入方法だが』 セブン『やはり数人に援護してもらいつつウルトラ念力で……』 メビウス『はい。僕達が下手に飛び上がれば超獣達に撃ち落とされてしまうでしょうし…』 ゾフィー『それに加えて地上からの攻撃ではあの装甲には傷は付けられん』 ウルトラ戦士達全員で敵の猛攻を防ぎ、 ウルトラ念力で一気に母艦まで飛ばすという作戦 今もなお迫り続けている超獣の大群がいる以上、これが最善の策…… のはずだったがそれに意見する男が一人 ダイナ『俺に良い考えがある!』 まどか「?」 さやか「……なんかやな予感」 意気揚々と言い放ち、魔法少女達のそばに屈みこむダイナ セブン『おい、陣を崩すな!危険だぞ!』 ダイナ『どっちにしろ念力で飛ばすとなりゃあ長いこと陣形は崩れるんだ!』 セブンの言葉にもまるで聞く耳を持たず、ダイナは少女達に右手を差し伸べる ダイナ『みんな!俺の手に乗ってくれ!』 スッ 杏子「なんだかよくわかんねーけど大丈夫なんだろうなぁ?」 マミ「えっと…じゃあちょっと失礼して」 さやか「う~ん……」 まどか「どうする気なんだろうね?」 ほむら「さぁ?……けどこの男の性格上ロクでもない策であることは確かね」 少し躊躇いつつもダイナの手の平に飛び乗る五人 その顔はやや不安気 ダイナ『へっへー!ドーンと任せなさいって!』 シュゥウウ… そんな不安も全く関係なしに立ち上がるダイナ そしてその右腕にエネルギーが集束させてエネルギーボールを作り出す 当然その中には魔法少女達が ほむら「はぁ……」 まどか「う、うそぉ…!」 ダイナの考えを理解したのかやれやれと頭を振るほむら そしてその横にいるまどかの顔が少し引きつる 杏子「げっ!?」 さやか「うわぁやっぱり!!」 マミ「じょ、冗談…ですよね?」 二人に続き、他の三人もダイナの考えを理解し、焦りの色が浮かぶ 超獣「ギャオオオォ!!!」 ズンズンズン! メビウス『!! 兄さん達、来ました!』 メビウス『どうやら念力で少しづつ送っていく暇は無いみたいです…!』 押し寄せる超獣の波 それはもう目と鼻の先まで迫って来ている さやか『帰りは?帰りはどうすればいいの!?』 ゾフィー『協力者が破壊して出来た亀裂が巴マミの脳内地図に記されているはずだ。そこから飛び出せ』 杏子「はぁああ!?飛び出すって…高度何千メートルだよ!?」 マン『……すまん、我々が絶対に受け止める』 ジャック『無茶を頼むがそこだけは安心してほしい』 諦めた様子で話すウルトラ兄弟達 ダイナ『だーい丈夫だって!俺を信用しろよ~!!』 ゾフィー『それよりも内部での戦闘だ』 エース『ヤプールの事だ……なにか奥の手を隠し持っているかもしれんぞ』 マミ「……はい、分かっています」 さやか「か、考えはもう変わらないのね…」 杏子「やれやれ……ま、最後はアタシ達が決めるしかねぇってこった」 それぞれの覚悟を決める魔法少女達 まどか「うぅ……」 先程の決意に満ちた表情は何処へやら ほむらの腕を力一杯に抱きしめるまどか ネクサス『ほむら。時間停止が使えない以上、戦闘の技術で攻めるしかない』 ほむら「分かってるわ孤門。常に移動と周囲の状況を見ること…でしょう?」 ほむら「あなたとの特訓、中々ためになったわ。ありがとう」 ネクサス『うん。そして君には心強い仲間達がいる……それを忘れずにね』 ほむら「……ええ」 コスモス『杏子ちゃん?孤門さんの言葉は君にも言えることだよ』 杏子「分かってるって!……今更一人で突っ張る気もねーよ」 激励の言葉を受けるほむらと杏子 エネルギーボールの中で向き合う魔法少女達 ダイナ『よっし……じゃあいくぜ!!』バッ セブン『失敗したら笑い話にもならんぞ……』 ティガ『頼むよ、元ピッチャー』 魔法少女達の入ったエネルギーボールを右腕に大きく振りかぶり 一同の遥か上空、 高度数千メートルの所に浮かぶ母艦を目掛けて 右腕の光球を豪快に ……投げた ダイナ『届けぇぇえええええーーーーーっ!!!!』 ゴウッ! まどか「きゃぁああーーーーーっ!!!」 さやか「うわぁぁあああああ!!!」 杏子「うぉおおおっ!?」 マミ「くうっ!?」 ほむら「っ……!!!」 ダイナ『よっしゃあ!あれは届くぜ!!』 ザッ 再び定位置に戻り、構えるダイナ エース『ヤプールを倒せばこの超獣達も止まるはずだ!』 マン『頼むぞ…魔法少女達!!』バッ 空の彼方へ一直線で進むエネルギーボールを見送り、 円陣を作ったウルトラ戦士達は 迫り来る超獣達へと向けて必殺光線を放つ …………………………………… ゴォォオオ 杏子「は……ははは!!速い速い!もう笑っちまうね!」 まどか「す、すごい……もう地上があんなに遠く……」 超高速で飛び続ける球体 その中で一同は少し顔を引きつらせながらも問題なく過ごしていた さやか「まどか、大丈夫?この中、結構重力が…」 まどか「あ…う、うん今のところはまだ……」 ほむら「でもあの母艦に今からぶつかるのね……全員が投げ出されたりしないかしら?」 少しづつ距離が縮まりつつある目的の場所を見上げ、ほむらが呟く マミ「大丈夫。ぶつかると同時に私がリボンでみんなを引き寄せる……固まっていれば問題ないでしょ?」 ほむら「なるほど…ね」 さやか「さっすがマミさん!」 ほむらにウィンクして答えるマミ そのマミに笑顔で飛び付くさやか まどか「で、でも大丈夫なんですか?わたし達の今持ってるグリーフシードってそれぞれ一個づつだし……」 さやか「あ……そ、そっか!いきなりマミさんに魔法使わせちゃうのか……」 少しばかり表情を曇らせる二人 しかしマミは笑顔で続ける マミ「…大丈夫よ。それより鹿目さん?あなたは自分の心配をしなさい」 ほむら「ここはマミの言う通りよ、まどか」 まどか「え……」 マミ「どうやらヤツらにとってあなたはかなりのイレギュラー要素を含んでるみたいよ……それこそ地上で戦っているみんなと同じくらいね」 ほむら「ヤツらにとってあなたは私達以上に都合の悪い存在ってこと……この意味が解る?」 まどか「優先的に狙われるかも……ってこと?」 さやか「!!」 険しい表情で向かい合う三人が淡々と話し続ける マミ「その通りよ。そしてあなたは私達よりも実践経験が遥かに少ない……だからあんまり無茶しすぎずに…ね?」 まどか「はい……」 俯き加減で返事をするまどか マミ「……うん、よろしい!じゃあお堅い話はここまで!」 まどか「?」 マミ「大丈夫よ、鹿目さん。私達は一人じゃない、みんなで戦うの」 ほむら「その通りよ」 杏子「そうそう!それに実践経験で言ったらコイツも大したことねーよ!な、さやか!!」 バシバシ さやか「な、なんだとー!あたしはアンタから一本取ったんだぞー!!」 杏子「だぁから実践の話しだっての!」 マミ「ちょ、ちょっとあなた達!?ここ狭いんだから……」 まどか「……ぷっ……あはははは!」 ほむら「……」クスッ さやかの背中を叩きながら話題に乱入する杏子 先程の少し重いムードは完全に消え去り、今は全員が向かい合わせで笑っている マミ「さぁ、そろそろ準備を………」 マミ「……………!!!」 杏子「ん?どうしたマミ?」 リボンを手に取り、上を見上げるマミ しかし突然先程まで笑っていたマミの顔が凍りつく マミ「………ま……ずい……わ」 さやか「え?」 地上と母艦を交互に何度も見るマミ その顔色はみるみる内に青くなる ほむら「………!?」バッ さやか「わっ!?ほ、ほむら?」 まどか「ほむらちゃんどうしたの?」 マミの反応を見て、ただ事ではないと察知したほむらが身を乗り出し、 マミと同じように地上と母艦を交互に見る まどか「?……あれ?これって……」 さやか「!……やばいじゃんか!!」 杏子「!! おいおいマジかよ!?」 そしてほむらに続いて状況を理解する三人 マミ「狙いが………狙いが逸れてる!!」 …………………………………… …………………………………… メビウス『み、見てください!あれ!』 目の前の超獣を吹き飛ばすメビウスが焦りながら空を指差す その先には母艦目掛けて一直線に飛んでいる ……はずの魔法少女達が入ったエネルギーボールが ジャック『狙いが逸れているのか!?』 ダイナ『ち、ちっくしょぉおお!!ここからいっきに追いついて……』 ゾフィー『いや、それでは間に合わん!!』 ドゴッ! 超獣『グギャッ!?』 エース『……ならどうすれば!?』 ゾフィーとエースが協力して超獣を退けつつ言い放つ ゾフィー『こうするんだ!!』 キュイン! マン『あれは……ウルトラサイン?』 ゾフィーによって空へ放たれた光が弾け、 ウルトラの一族の連絡手段である特殊な文字、ウルトラサインが空に輝く セブン『!!』 …………………………………… …………………………………… 風を切り、雲を突き抜けながら進むエネルギーボール その中で焦り、うろたえる五人の魔法少女達 母艦にぶつかるはずの球は既にその横を通り過ぎたにも関わらず、 全く勢いが衰えることがなかった さやか「うわあ!完全に通り過ぎちゃってるじゃんか!!」 まどか「どうするの!?このままじゃ……う、宇宙に飛び出していっちゃったり?」 ほむら「その前に大気圏で消し炭よ……!!」 杏子「冗談じゃねぇぞ!なんかないのかよマミ!?」 マミ「か、考えてるわよ!!けど……けど!」 必死に思考を巡らせる五人 しかしこんな状況でまともな答えなど出るはずもなかった 杏子「…………くそっ!」シュン さやか「ちょ、ちょっと杏子!?」 魔法で槍を作り出し、下向きに構える杏子 まどか「待って杏子ちゃん!何するの!?」 杏子「決まってんだろ!もうこうなった以上内側から割るしかねぇ!」 さやか「なっ!?なに馬鹿なこと言ってんのよ!正気!?」 杏子「このままじゃ全員揃って焼け死ぬぞ!!だったら少しでも可能性のある方に賭ける!」 杏子「ここから出ると同時に魔法で足場を作って一気に飛ぶ!!」 必死に杏子を抑え止めるまどかとさやか 滅茶苦茶な作戦だが杏子の目は覚悟に満ちていた しかしマミの言葉でその決意は揺れる マミ「無理よ!ここ地上何千メートルだと思ってるの!?外に出た途端全員別々に飛ばされるわ!」 ほむら「……でしょうね。それに足場を作ったところでここじゃろくに姿勢制御も出来ない」 杏子「っ……なら……ならどうするって言うんだよ!?」 マミ「そ、それは……」 ほむら「………」 ほむら(何か……何か策があるはず……!こんなところで諦めるわけには…!!) 魔法少女達が中で口論している間にも、 母艦との距離はどんどん開いていく その状況にほむらが唇を噛みしめ、なんとか策を見出そうとした その時 バシッ!! ほむら「ぐっ……!?」 杏子「おおっ!?」 マミ「きゃっ!!」 突然の強烈な衝撃 魔法少女達は球の底に這いつくばり、悲鳴を上げる さやか「え……え?」 まどか「止まっ………た?」 杏子の上に伸しかかった状態の二人が小さく呟く 先程まで焦りながら口論していた三人もぽかんと口を開けたまま動かない マミ「ど、どうなったの?」 ほむら「……とりあえずただ一つ分かる事は」 杏子「助かった……ってことか」 大きくため息をつき、球の中から辺りを見回す一同 凄まじい存在感を放ち続けるインキュベーターの母艦 そしてその遥か下にはうっすらと地上の色が見えた まどか「だけどどうして突然?」 まどかが小さくそう呟いた瞬間、頭の上から呆れたような声が返ってくる ???『片道切符の宇宙旅行たぁ派手なことする奴らもいたもんだな』 ほむら「!?」 咄嗟に上を見上げ、声の主を見つける魔法少女達 その視線の先には鋭い目つきの青いウルトラマン ウルトラマンゼロの姿があった ゼロ『やれやれだな』 さやか「わっ……また新しいウルトラマンだ!」 杏子(?……なーんか見たことある顔のような…) マミ「あ、あの……あなたが受け止めてくださったんですか?」 ゼロ『ん?あー、ちょっと待ってくれ』 キィイン… ゼロ『……おい、隊長さんよ。なんとか間に合ったぜ』 ゼロの姿を呆然と見上げる少女達をよそに、 当の本人は右腕でエネルギーボールを支えながら、空いた左腕を耳に当てて地上のゾフィーへテレパシーを送る 『うむ、ご苦労だったなゼロ』 ゼロ『ああ。一旦レオのジジイと合流するために宇宙へ戻ろうとしたらあんたのサインが見えてな』 『ゼロだと!?』 ゼロ『おおっと……この声は親父か!』 ゼロの脳内に響く声、それは彼の実の父の物であった 『どういう事だ!?なぜお前がこちら側の世界に……』 ゼロ『怒鳴るな怒鳴るな。まあ時間が無いから手短に言うとだな……』 ゼロ『向こうの事件が片付いてしばらくしたらよ、聞き覚えのある声が聞こえてな』 ゼロ『その声がこっちの世界が大変なことになってるって聞いて急いで駆けつけて来たわけだ』 『しかし駆けつけて来たと言っても次元の移動をお前はどうやって……』 ゼロ『声が消えたころにはでかいゲートが開いてたんだよ』 ゼロ『それで今はゲートが閉じないように向こう側の仲間に支えてもらってんのさ』 ゼロ『まあ光の国に着いた頃には親父たちは地球に出発した後だったけどな』 『むぅ……なるほど……やはり今回の一件にはヤプールやインキュベーター以外の何者かが――――』 自身の状況とこの世界に来た経緯をテレパシーでセブンに語る しかしそれはあくまでウルトラ戦士同士でのテレパシー会話なので魔法少女達には聞こえない つまり 今の魔法少女達にとってゼロは突然押し黙った謎の人物にしか見えなかった さやか「なんなんだろこの人……急に現れたと思ったら黙っちゃった」 杏子「おーいどうした?聞こえてるかー?」ブンブン ゼロ『! おお、悪いな』 杏子に手を振りながら呼び掛けられ、ようやくゼロが反応する 杏子「おっ、反応した」 まどか「あの……あなたは一体…」 ゼロ『俺か?俺は……そうだな……』 ゼロ『!……へへ』 おどおどした様子でゼロに尋ねるまどか その問いかけに答えようとしたゼロはまどかに聞こえないくらい小さく笑い、答えた ゼロ『俺ぁご覧の通りただの風来坊よ!』 まどか「?……風来坊さん…ですか?」 さやか「……怪しさ満点じゃん」 『こ、こいつ……』 自分の胸を叩き、得意げにそう言い放つゼロ 彼の頭の中にセブンの気恥ずかしそうな声が響く ゼロ『へへ……怪しさ満点だとよ親父』 『昔のことだ!……次の敵が来た、交信は終わりだ!』 ゼロ『ああ、気をつけろよ』 ゼロ『さぁて!事情は大体把握してる!あそこへ行きたいんだろ?』 ほむら「……この際怪しさなんてどうでもいいわ。あなたの言う通りよ」 マミ「私達は一刻も早くあそこに行ってヤプールを倒さなくては……」 地上との交信を絶ち切り、本題に入る ゼロの問いにマミとほむらは少し躊躇いつつも答える ゼロ『ヤプールか……お前らで本当に大丈夫なのか?』 杏子「なんだとぉ!?」 さやか「それっ!どういう意味!?」 ゼロの何気ない言葉に、 眉を吊り上げ、大声で反論する二人 ほむら「聞き捨てならないわね、今の言葉」 そして静かに反論する者が一人 ゼロ「…?」 ほむら「確かにヤプールは恐ろしい敵よ。初めて会った時に肌でそれを感じた」 ほむら「私は……何も出来なかった」 マミ「暁美さん……」 ヤプールと初めて出会ったあの日 何も出来ず、ただ目の前でまどかが連れ去られるのを見ていることしか出来なかったほむら その時の事を思い出し、 ヤプールに撃たれた胸を押さえ、目を閉じ、唇を噛み締める ほむら「けど…今度は負けない」 ゼロ『!!』 目を力強く見開き、ゼロを見上げるほむら ほむら「どんなに恐ろしい敵だろうとも、どんなに絶望的な状況だとしても……私達は諦めない」 淡々と語るほむら その目に迷いは無い ほむら「そうすれば必ず希望が見えてくる事を知っているから」 ゼロ『………』 ほむらの言葉を黙って聞き続けるゼロ そしてほむらは小さく笑い、振り返る ほむら「……心強い仲間もいるしね」 まどか「……うん!」 マミ「暁美さん……」 杏子「…ま、アタシ達もようやくほむらに心の底から認めてもらえたってことか」 さやか「あたしもバッチリ鍛えたからね!どんどん頼っちゃってよほむら!」 心強い仲間 その言葉を聞いた四人は少し恥ずかしそうに笑顔を浮かべる 今まで誰にも頼らず、一人で戦い続けて来たほむらの口からその言葉が聞けただけで、 ただ純粋に四人は嬉しかった ゼロ(仲間……か) ゼロ『そっか、悪かったな余計なこと言っちまって』 さやか「……まぁほむらが色々言ってくれたし」 杏子「許してやるか!」 先程まで怒っていた二人が胸を張り、腰に手を当て偉そうな態度を取る ゼロ『そりゃどうも……さーてお前らをあそこへ送るわけだが』 まどか「?」 顎に手を当てて、まじまじと少女達の姿を見つめるゼロ 彼の瞳に映る少女達 その体には至る所に傷が目立ち、やや頼りなく映っていた そしてゼロは唐突に左腕のゼロブレスレットを突き出す ゼロ『……母艦をぶっ壊すために溜めてたエネルギーの余りもんだが……お前らを全快にするくらいはあるだろ』 シュィイイン まどか「!……体の傷が!」 さやか「わ!?」 マミ「これは……ソウルジェムの穢れまで…」 ゼロブレスレットに蓄えられたプラズマスパークのエネルギーが魔法少女達に流れ込み、 その体の傷を癒し、穢れを浄化する ゼロ『ま、さっきのお詫びってやつだな』 杏子「サンキュー!あんた良いヤツだな」 ほむら「……助かったわ、ありがとう」 ゼロ『よし、じゃあやるか!』 ピタッ ウルトラ念力で球を宙に固定すし、体に力を込めるゼロ まどか「……あ、あれ?なんか想像してたのと違う…」 さやか「え?ちょ、ちょっと?普通に連れてってくれるんじゃ……」 ゼロ『悪いが俺も急いでんだ。一旦宇宙に戻って仲間を助けなきゃいけねぇ』 さやか「えぇーっ!?」 ほむら「………」スッ まどか「ほ、ほむらちゃん」 マミ「……」グッ 杏子「…まぁしょうがねぇな」 予想外のゼロの行動に さやかは驚きうろたえ、 ほむらはまどかを抱き寄せて衝撃に備えるために球の底に伏せる その隣ではマミはリボンを手に取り、杏子は諦めたような表情を浮かべる ゼロ『そぉおら行ってこい!!』 ドゴォッ! さやか「ま、またこのパターン……!」 まどか「っ……!」 ゼロ『頑張れよー!!』 宙に固定された魔法少女達を乗せた球はゼロに豪快に蹴り飛ばされ 地上から飛んできた時よりもさらに勢い良く飛び ドゴォオオン! 大きな音を立ててインキュベーターの母艦に突っ込む ゼロ『突入成功だな!』グッ 魔法少女達へ激励の言葉を掛けたゼロはその行方を見届け、 球が母艦へ無事突っ込んだところを見るとガッツポーズをして喜びを露わにする ゼロ『よし、急ぐか!』シュン そして宇宙で戦い続ける仲間達の所へと向かうためにゼロは飛ぶ しかし彼には一つの疑問があった ゼロ(しかし天下の大隊長殿も思い切ったことしたもんだ……ほぼ総動員とはな) ゼロ(たしか銀河連邦の決まりでは宇宙警備隊員がここまで大々的に関わった星の人間は………) …………………………………… BACKまどか「…ウルトラマン!」 16 NEXT まどか「…ウルトラマン!」 18
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ドシュッ!! ヤプール「ぐふっ!?」 さやか「ぁ……」 雄叫びとともに杏子の繰り出した槍の一撃は、 友の体ごとヤプールの胸部を深々と貫き、その矛先は背中へと抜ける 蚊の鳴くような小さな声を上げるさやか そんな彼女の首を掴んだまま、 ヤプールの口からは人間のそれとは程遠い、不気味などす黒い血を吐き出す まどか「さやかちゃんっ!?」 マミ「佐倉さん…な、なんで………」 ほむら「そんな……杏子、さっきのははったりだったというの…!?」 ヤプール「ば、馬鹿な!ありえん!!ぐっ……き…貴様ぁ……!!」 目の前で行われた信じられない杏子の行動に、 一同それぞれの思考は錯乱する それはヤプールとて例外ではない 杏子「…………」 さやか「…………」 しかしそんな中、 杏子とさやかの二人はお互いを見つめ合ったまま動かない その沈黙の間にも槍に貫かれたさやかの傷口からは真っ赤な血が流れ落ちている さやか「………そうか……これは…」 先に口を開いたのはさやか さやかに口から血を流し、虚ろな瞳を漂わせながら小さく呟く 杏子「……借りは返したぜさやか」 その声を聞いて杏子はさやかが何かに気付いた事を感じ取り、 八重歯を見せながらにやりと笑う それは自身の作戦が成功した事を意味する会心の笑みだった ヤプール「き、貴様何を笑って………うぐっ!?」 キィイン… マミ「うっ……何!?あ、頭が……!!」 まどか「これもヤプールが……!?」 ほむら「いや……違う!」 突然一同を襲う強烈な頭痛 視界が崩れる様に歪み、目の前が少しづつ暗くなる だがそれは魔法少女達だけでなくヤプールすらもその現象に襲われていた ヤプール「ぬっ……がぁあああ……!!」 唸り声を上げるヤプール 彼の目の前にいる杏子の姿は少しづつ消えてゆく だが槍に貫かれた胸の激痛は未だその体を襲い続ける まどか「っ!?み、見て!杏子ちゃんが!」 マミ「え!?」 ほむら「何が起こったの……!?」 強烈な頭痛に耐えながら、 滅茶苦茶に歪む視界の中、杏子に視線を移す少女達 先程までヤプールとさやかに正面から槍を突き立てていた少女の姿は薄れ、 入れ替わる様にヤプールの背後に赤い髪の少女が少しづつ姿を現す それに伴い、さやかの胸を貫いていた槍は消え、傷口もまるで元から無かったかのように消える ヤプール「ぐっ……これ…はぁああ…!!」 杏子「どうだい狐に化かされた気分だろ?」 ヤプールの眼前から完全に消えた杏子 彼女は霧のようにヤプールの背後に出現し、 彼を背中から胸に掛けて貫いた槍をしっかりと握り締めていた 杏子「こいつは幻術だ。お前らのデータは不十分だったってことさ」 さやか「う……くっ」ドシャ ヤプールの拘束から解放されたさやかは支えを失い、 そのまま前のめりに倒れ込む その後ろで、串刺しにされたヤプールは血を吐きながら唸り続ける ヤプール「う……ごぉおおおお!!」 杏子「このまま………ぶっ倒れろぉおおおおーーーっ!!!」ブンッ 杏子は全身に力を入れヤプールの刺さった槍をゆっくりと持ち上げ、 大きく縦に振り抜く ヤプール「ぬおぉおおっ!?」 ドガァアン!! 杏子「はぁっ……はぁっ……どうだっ!!」 ヤプールは胸から噴水のようにどす黒い血を噴き出しながら、 辺りに散らばった瓦礫の山に叩きつけられる それを見た杏子は満足気に言い放ち、 倒れ込んだままのさやかの元へ向かう マミ「美樹さん、佐倉さん!!」 まどか「あ……わ、わたしたちも!」 ほむら「ええ……行きましょう」 少し遅れて、 頭痛が収まり、視界も元通りになった三人がさやかの元へと駆け出す 杏子「ほれ立ちな!まだおねんねしてる場合じゃないぜ!」 さやか「いでででで!ちょ、ちょっと!もっと優しくしてよぉ……!」 強引にさやかの手を取り、立ち上がらせる 杏子は彼女を見つめながら悪戯っぽく微笑むが、その瞳は優しかった マミ「美樹さん大丈夫!?傷口、見せてみなさい!」 さやか「うぅ~……乱暴者の後だとマミさんの優しさが身にしみる……」 杏子「んだとぉ!?」 ほむら「……冗談を飛ばせるならまだいけそうね」ガシッ 杏子「て、てめー!離せほむらー!!」 さやかがわざとらしくマミに泣きつき、 それを見て怒った杏子をほむらは羽交い絞めにして黙らせる 少女達に一時の笑顔が戻るそんな中、 一人だけ浮かない顔の者が一人 まどか「さやかちゃん……」 さやか「いてて………ん?どしたまどか?」 マミに傷口を触れられながら視線を移すさやか その先には泣きそうな目をしたまどかの姿 まどか「わたし……わたしさやかちゃんが酷い目にあってるのに……何もしてあげられなくって…」 さやか「……」 まどか「それにわたしヤプールにああ言われて……さやかちゃんとマミさんの命を天秤にかけるようなことを考えて……」 さやか「……でも出来なかったんでしょ?」 まどか「え?う、うん」 さやか「ならそれでいいじゃん!それがまどかの優しさなんだからさ?」 マミ「……まぁ、鹿目さんはそんなこと出来る子じゃないって私は知ってるし……ね」ポン まどか「!……っ……うんっ!」 まどかの肩に優しく手を置くマミ さやかは屈託のない笑顔で心の底からそう言い放つ その言葉を聞きまどかは瞳からこぼれ落ちそうになった涙を拭い、 お返しとばかりに笑顔をさやかに向ける さやか「ま、いざとなったら杏子が助けてくれるってあたしは信じてたしね~!」ガシッ まどか「ひゃ!?」 杏子「……ばーか」 さやかがまどかと杏子の間に入り込み、二人の肩に手を回す 顔を少し赤らめるまどか、 杏子は悪態をつきながらもその顔はまんざらでもなさそうだった マミ「ふふっ……」 ほむら「やれやれだわ……」 バシュッ!! ほむら「……!?」バッ ドガッ! ほむら「っつぅう………!!」 マミ「暁美さん!!……攻撃!?」 辺りに立ち込める土煙、 その向こうから突然飛んで来た光弾をほむらは咄嗟に左腕の盾で受け止める あまりの衝撃にふらつく足を何とか床に踏ん張らせる まどか「ヤプールはまだあんなに力を残してるの!?」 さやか「ちょっと杏子!どういうこと!?」 杏子「いや……間違いなく手ごたえはあったしアイツにはあの攻撃は防ぎようは無いはずだ」 先程の雰囲気から一変、 五人の少女達は表情を険しくし、お互いの背中を合わせて再び円を作る ほむら(次はどこから来る……?!) 全員が目を凝らし神経を研ぎ澄ませながら、 周囲に目を配る ダッ マミ「!! 上よ!」 杏子「なっ!?」 ほむら「!……くっ」 マミの声に反応して上を見上げる一同 そこにはエネルギーを右腕に集束させ凄まじい勢いで迫るヤプール 反射的にほむらとマミは銃を向け撃墜しようとするが、 気付いた時にはもう遅すぎた ドゴォオオン!! ほむら「あっ!?」 マミ「きゃぁああっ!!」 五人の円の中心に叩きこまれた強烈な一撃は爆風を巻き起こし、 ほむらとマミは吹き飛ばされ、勢い良く床に転がる ドゴォッ! 杏子「がぁっ!?」 さやか「うぐぁああっ!!」 さやかと杏子は重なり合う様に吹き上げられ、 二人同時に壁に激突 大きくめり込み、瓦礫が崩れ落ちる まどか「あっ!?……ぅう」ドガッ そしてまどかはヤプールから一番遠い真正面の壁に叩きつけられ、 糸の切れた人形のようにぐったりとへたり込む さやか「あ、あいつっ……まだあれだけ動けるの…!?」 杏子「っ……!……いや、見ろ!!」 凄まじいまでのヤプールの攻撃に驚愕するさやか しかし、 杏子は壁際で瓦礫の山に体を預けながら、ヤプールを指差す ヤプール「はぁ……はぁ……ぬぅううごぉあああああ!!!」ボタボタ バチチチッ さやか「!?」 そこにいたのは左腕で胸の傷口を抑え、 狂ったように雄叫びを上げて腕を滅茶苦茶に振り回すヤプールがいた 少女達を一方的に痛めつけ、見下し、楽しみながら弄んでいた悪魔の様な存在 しかし先程までの余裕に満ちた態度は消え失せ、 体の各所から血と火花を撒き散らしながら激痛に苦しんでいた ほむら「効い……てる?」 マミ「ええ……あと…少しっ……!」グッ ヤプールをあと一歩のところまで追いつめている その明らかな事実が少女達の心に最後の炎を灯す ヤプール「ち……地球の……ガァ…キごときにぃっ!!……こ、これほどまでの……」 まどか「っつぅ……」 ヤプール「この程度の傷……すぐに回復を……ごはぁっ!」ビチャッ まどか(やるなら……今しかないっ!) 血と憎悪の言葉を吐きながらふらつくヤプール それを見たまどかが力を振り絞り、 壁に背を付けながら足を踏ん張り、やっとのことで立ち上がる まどか「……はぁっ…!」キュイン 床に落ちた弓を光の粒子へと変換し左腕に集中、 手首を中心に出現する光輝く弓 ヤプールにトドメを刺すべく、アローレイシュトロームの発射準備に入る まどか「はぁぁああああっ……!」シュゥウ 弓を引き絞るごとに輝きを増す必殺の一撃、 それと対照的にじわじわとソウルジェムには穢れが溜まっていく だが回復している暇はもはや彼女には無い まどか(ヤツを倒せるだけの力……お願いだから早く溜まってっ!!) 心の中で念じるまどか しかしヤプールがそれを許すはずがなかった ヤプール「!!……鹿目……まどかぁぁあああああああっ!!!」 さやか「! バレ……た!!」 杏子「くっ……まどかぁっ攻撃されるぞ!逃げろ!!」 倒れながらも杏子が叫ぶもまどかはその場から動こうとはしない そうしている内にもヤプールは右腕のカギ爪に毒々しい色の不気味な光を集中させ、 雄叫びを上げながらさらに力を溜める マミ「そうは……させないっ!!」バァン ブシュッ ヤプール「ぬがぁぁぁぁあああああああああ!!!」 マミ「!?……」バンバンッ! 床に体を伏せたままヤプールの背中に向けて発砲するも 荒狂うヤプールはその攻撃をものともせず、まどかを殺すための力を蓄え続ける マミ「駄目!もっと威力の高い攻撃じゃないと!」 ほむら「なら私がっ!」 ドクン ほむら「!?…ぁ…ぅ…」 マミ「あ、暁美さんっ!?」 床に膝を着きながらディバイトランチャーの引き金を引こうとするも、 ほむらはふらつき、マミに体を預けた マミ「!?………まさか!」バッ ほむら「こんなときにっ……!!」 マミ「やっぱり……ソウルジェムが……」 ほむらの体を抱き上げ、マミは絶句する 紫色に輝いていたほむらのソウルジェムには限界寸前にまで穢れが溜まり、 今まさに黒一色に染まろうとしていた マミ「そ、そんな……このままじゃ!」 ほむら「っ……戦闘中に…回復する暇なんて……無かったのよ……はぁ…はぁっ……」 息を荒げながらも、ほむらは再びランチャーに手を伸ばす ほむら「時間が無いわ……離して…!」 肩を掴むマミの手を払いのけようともがくほむら しかしマミはそれを許さない マミ「やめて!あと一発でも撃ったらあなたは!!」 ほむら「まどかは……私が守るのよ……っ!!」 マミ「!!」 凄まじい形相でマミを睨みつけるほむら その瞳には揺るがない強い決意の色が宿っていた マミ「………」 ほむら「さぁ……離しな……さい!……ぐぅっ!」 額に汗を浮かべ痛みに耐えるほむら そんな彼女の姿を見ながらマミは無言のまま唇を噛み締める ヤプール「殺してやる……殺してやるぞぉおおおおおっ!!!」ダッ まどか(!!……き、来たっ!) 右腕に凄まじいエネルギーを蓄えたヤプールがまどかへ向けて一気に駆け出す その速さは先程までの高速移動には遠く及ばないものの、 まどかが魔力を溜め終わるまでに攻撃するには十分な速さだった 杏子「くっそ野郎……がぁああっ……!!」ググッ 杏子が瓦礫に埋もれた足を何とか引き抜こうとするも、 抜けたところで今からヤプールに追いつくことはほぼ不可能 さやか「ち……くしょ……足がっ……」フラッ 一方さやかは剣を杖代わりにしながらなんとか立ち上がるも、 先程のヤプールの攻撃で足を負傷し素早く動き回る事ができない状態 自然治癒の能力も穢れの溜まったソウルジェムでは思う様に機能しない ヤプール「ぬがぁぁあああああああっ!!!」 その間にもヤプールはまどかへ向けて少しづつ迫る もはや一刻の猶予も無い ほむら「マミぃいいっ!!!」 マミ「……」 バッ ほむら「えっ!?」 マミ「………使いなさい、とにかく全快するまで動かないで」 マミはほむらを押し倒し、 穢れのたまったそのソウルジェムにグリーフシードを押しつける ほむらは一瞬呆気に取られるも、すぐさまマミに向かって叫ぶ ほむら「マミっ!あなたどういう―――」 マミ「黙りなさい!!!仲間を大切に思っているのはあなただけじゃないのよ!?」 ほむら「!!………ぁ…」 目を逸らし、大人しくなるほむら 初めて見る本気で激怒したマミの姿にほむらはただ大人しく従うしかなかった マミ「…………」スッ そのままほむらに背を向け、 マミは他の三人に対して念話を試みる キィイン… マミ『みんな、聞こえる!?』 まどか『……?』 さやか『この声…マミさん?』 杏子『! マミか!念話なんてしてる場合じゃないぜ!?』 マミ『いいから聞いて!』 マミ『恐らくここで大技を撃ってもヤツに回避される事は目に見えてる!それにこちらの手の内は全部晒した!』 杏子『じゃあどうすんだよ!?』 マミ『……トリックプレイといきましょうか』 …………………………………… …………………………………… ~見滝原~ 大地を砕き、大気を震わせる力のぶつかり合い 十一人の巨人とそれを上回る超獣達が入り乱れての大混戦 それぞれの巨人が放つ必殺の光線が超獣達を撃ち砕くも、すぐさまその後ろから新たな超獣が現れる 感情も無く、理性すらも消え失せた超獣達に死に対する恐怖は無く、 仲間の屍を踏み越えて巨人たちに襲い掛かる ガイア『こっちはもう少しで終わる……!彼女達は!?』 メビウス『兄さん達!みんなはまだ戻りそうにないんですか!?』 互いに背中を合わせ、迫り来る超獣に備える 敵の数は確実に減り続けているとはいえ、巨人達の体力も既に底をつきかけていた セブン『こちらから艦内の状況を知るための手段は無い!今我々は我々に出来ることをするんだ!』 ゾフィー(後少しで宇宙にいる仲間達もここへ来る事ができる……そうなればほぼ完全にこちらの勝利だ) ダイナ『上等だ!だったらこっちを全部片付けてアイツらを助けに行ってやるぜ!!』 ティガ『はは……頼もしいね』 超獣「ギャオァアアアアアアアア!!」 マン『信じろ、彼女達は必ず帰ってくる!』 魔法少女達の帰還を信じながら、 巨人達は死力を尽くし残りの超獣達を迎え撃つ …………………………………… …………………………………… ~インキュベーター母艦~ ヤプールに迫られながらも必殺技を放つための力を蓄えるまどか だがその場から動く事は出来ない 片足を瓦礫に挟まれ、今すぐには脱出することの出来ない杏子 その横には足を負傷し、まともに走れないさやか 魔力が底を尽きかけ、グリーフシードを使い回復を待つほむら そしてほむらほどでは無いにしろ、 同じく魔力が底を尽く寸前で大技を放つ事の出来ないマミ 彼女は全員に念話を飛ばし、 ヤプールに仕掛ける最後の攻撃作戦を手短に説明する まどか『……えぇっ!?』 マミが考えたヤプールに仕掛ける最後の攻撃 その無茶な内容を聞いたまどかは驚き、戸惑いを隠せない マミ『ここにいる全員がお互いをカバーする……一人でも失敗したら終わりよ!』 さやか『でもこんな作戦……大丈夫かな……』 グイン! さやか「うおっとぉ!?」 杏子「迷ってる場合かよ!?さっさとやるぞ!!」 杏子が座り込んだ姿勢のまま、 巨大化させた槍の刃を横にした状態で、その上に杏子を器用に乗せる 杏子「いくぜ!上手くやれよ!?」 さやか「……まぁ悩んでる暇も無いしね!」 キィイン… さやか『まどか、遠慮なくやっちゃっていいからね!!』 まどか『で、でももし失敗したら……』 槍の上に屈んだまま、 さやかは念話でまどかに語りかける まどかは決意を固めたさやかとは対照的に未だ不安を感じていた さやか『大丈夫!あんた自身を信じて!………そして……あたしを信じて!!』 まどか『……うん!わかった!!』 さやかはそんなまどかの不安を吹き飛ばす様に言い放つ ヤプール「ぬぉおおおおおおおおおおおおっ!!!」 怒りの叫びを上げながらまどかへ突き進むヤプール その距離はあと十歩程度 マミ「!! 佐倉さん急いで!」 杏子「おうっ!………さぁ~上手く飛べ……よぉおおおおおおおっと!!」 さやか「……今だ!」ダッ 杏子が歯を食いしばりながら両腕に力を入れ、 さやかが乗った巨大な槍を全力で横薙ぎに振る それと同時にさやかは傷付いた足に最後の力を込め、 剣を握り締め、全身をバネにして杏子の槍を両足で思いっきり蹴る ゴォッ!! 杏子「いけぇえええーーーっ!!!」 ヤプールがまどかに到達するまでの距離はおよそ五歩分 遠心力で投げ飛ばされたさやかはヤプールの背中目掛けて一直線 動けないさやかと杏子がお互いの傷をカバーし合い、 攻撃を仕掛ける ヤプール「ぉぉおおおおおおおおお!!!」 凄まじいスピードで迫るさやかだが、 ヤプールがまどかに到達するまでの方がやや速い まどか「………今だっ!!」バッ ドシュン! 咄嗟に左腕に装着された光の弓を掲げ、 魔力の溜めが完全ではないものの、まどかはアローレイシュトロームを放つ しかし…… ヤプール「ぬ!?うぉおおおおっ!!」 ピシュン! まどかの放った光の矢 それの接近をギリギリで察知したヤプールは体を捻り、 肩を少しかすめはしたものの、すんでのところで回避する 命中すれば、 良くて致命傷、悪くて即死の一撃だった まどか「……!」 ヤプール「馬鹿がぁ!!死ねぇええええっ!!!」グッ 勝利を確信したヤプールが腕を振り上げ、 まどかにその強靭なカギ爪を向ける バシュィイン!! ヤプール「?!」 落雷のような音がヤプールの後方で鳴り響き、 それと同時に青と桃色の光が混ざり合う 「………まどかが狙ったのはあんただと思った?」 ヤプール「!! し、しまっ――」 接近してくる聞き覚えのある声 ヤプールは反射的に振り向き、 不気味な紫の光を放つカギ爪を突き出し、防御の構えを取る だが、もう遅い 彼の眼前には、 まどかのアローレイシュトロームの力を剣に宿した青い魔法少女が迫っていた さやか「残念……さやかちゃんで・し・たぁぁああああーーーーっ!!!」ゴォッ ザシュッ!!! ヤプール「!!!」 さやかの振り下ろした渾身の一撃はヤプールのカギ爪を完全に撃ち砕き、 そのまま一気に正中線を斬りつける 攻撃を剣で受け止め、 魔力に変換し、威力を増幅させて繰り出す技 さやかがワルプルギスの夜との戦いで本能的に身に着けていた業だった さやか「ぐえっ!?」 まどか「きゃああ!?」 ドシャッ! 足を負傷していたさやかは思う様に受け身を取る事が出来ず、 まどかを巻き込みながら豪快に床を転がる ヤプール「グ……ギャァァアアアアア!!!!」 まどか「ひっ!?」 さやか「うわっ……?」 ヤプール「ぬぅううううガァアアアア!!」 全身から火花を噴き出し、 顎が外れ、喉が破れんばかりの大絶叫 それとともにさやかと杏子から受けた傷口から、血とともに少しずつ光が漏れだす 広い室内に恐ろしい叫び声が響き渡る ヤプール「こんなっ!!こんなことがあるはずが無いぃいいいっ!!」 さやか「っ……こ、こいつ…!」 シュルルルッ ヤプール「!!?」ガシィッ 近くに伏せたままのさやかとまどかを見つけたヤプール 彼は再びその二人に襲い掛かろうとするも、 突然飛来した鞭のようにしなる無数の黄色いリボンがそれを許さない マミ「捕まえたっ………!!」 ヤプール「!! ガキがぁぁあああっ!!こんなものすぐに―――」 ジャラララッ! ヤプール「があっ!?」ガシン 杏子「………逃がすわけねぇだろ!」 一瞬遅れて飛んで来た多節槍の鎖がリボンの上からヤプールの体に絡み付き、 拘束は更に強力なものとなった マミは瓦礫から脱出した杏子と力を合わせ、ヤプールの動きを完全に止める そして、 マミは体から魔力を絞り出しながら叫ぶ マミ「暁美さんっ!今よーーーっ!!」 ヤプール「!!?」 マミが提案したこの作戦の最後の仕上げ ソウルジェムの穢れを完全に取り除き、 完全に回復したほむらによる全力の射撃攻撃 ほむら「………」ジャキッ ヤプール「暁美ほむらぁああーーーーーーっ!!!」 マミの希望を託す叫びと、ヤプールの憎しみを込めた叫び 二つの相反する感情をその身に受け、 ほむらはディバイトランチャーの引き金を引く ほむら「ぅうううぁぁああああーーーーーっ!!!!」 ドガガガガガガガッ!!! 大量の魔法弾は着弾と同時に爆風を巻き上げ、 一瞬にしてヤプールの姿を完全に飲み込む 千切れ飛ぶ鎖とリボン 砕け散る瓦礫と舞い上がる砂ぼこり ほむらの全力の攻撃は一発たりとも外れることはなく、 その全てがヤプールを完全に捉えていた さやか「うわぁっ!」 まどか「きゃああっ!!」 ヤプールから一番近い位置にいた二人はそのまま風圧に押され、 またしても床の上を転がる シュゥウウ…… ほむら「………」ジャコッ ランチャーを下ろし、 立ち込める土煙をただじっと見つめるほむら 杏子とマミも武器を再び魔法で生成し、握り直す そこから少し離れたところで、 まどかはさやかに肩を貸し、なんとか立ち上がらせる 杏子「……」 マミ「……」 まどか「……」 さやか「……」 ヤプール「………許さん」 ほむら「……!」ジャキッ 小さく響く声 煙が晴れ、その中から全身傷だらけでもはや虫の息といった状態のヤプールが現れる ほむらは警戒し銃口を向けるも、 もはやヤプールに戦う力が残っていない事は誰が見ても明らかだった ヤプール「必ず……貴様ら全員………殺して…やる……」 まどか「……」 さやか「大丈夫……ただの強がりだよ」 シュォオ… ヤプール「ぐふっ……」ドシャッ 恨みの言葉を吐き出しその場に倒れ込んだヤプールの体は、 黒い霧の様な粒子となり、辺りに散らばり消えていく マミ「倒した……の?」 杏子「みたいだな……っと」 ヤプールがいた場所を見つめながら呟くマミ 辺りに漂う張りつめた殺気も消え、 魔法少女達は肩の力を抜き、その場にへたり込む まどか「ふぅう……」 さやか「やっと終わったんだね……」 ほむら「……マミ」ヒュッ マミ「? あ、これは…」パシッ マミにグリーフシードを投げ渡すほむら 元々は彼女の物だが先程マミの分を使ってしまったため、その代わりとしての物だった ほむら「それとその……さっきはありがとう」 マミ「……どういたしまして」 目を逸らして気恥ずかしそうに礼を言うほむらに対し、 マミは返事をしながらくすりと笑う 杏子「じゃあアタシも回復すっか……」 まどか「さやかちゃん、わたし達も」 さやか「ん、そうだね………いてて」 マミにつられるように、 ほむら以外の全員がグリーフシードをソウルジェムに押し当て、穢れを浄化する ヤプールとの戦いも終わり、後は地上へと帰るのみ 少女達はじっくりと回復しながらも、 超獣達と戦っていた仲間達の無事を祈っていた …………………………………… …………………………………… ~見滝原~ ジャック『今ので……最後か?』 エース『そうみたいですね………』 肩で息をしながらカラータイマーを点滅させ、辺りを見回す巨人達 荒廃した市街地に立っているのは十一人の巨人のみ 先程まで彼らに牙を剥き、襲い掛かって来ていた超獣達は全滅し、 周囲にいくらかの肉片が散らばっているだけでもはや一体も残っていない セブン『……魔法少女達は?』 ネクサス『まだみたいです……もしかしたらあの中でまだ戦い続けているのかも……』 ダイナ『!! そりゃあ大変だ!早く助けに……』 腕を空に向けて伸ばし、 インキュベーターの母艦へと向けて飛び立とうとしたダイナだが、 突然動きを止め、空を見上げる メビウス『どうかしたんですか?』 不思議に思った一同がダイナに呼びかけつつ、 彼と同じように空を見上げる セブン『……あれはなんだ?』 セブンが指差すその先、 遥か上空にに浮かび続けるインキュベーターの母艦 その周りには先程まで無かったはずの、 何か不気味な黒い瘴気のようなものが渦巻いていた シュォオオオ… コスモス『!? あれは……』 ガイア『……穴?』 瘴気の発生から少し遅れて、 母艦の上にブラックホールの様な穴が出現する ティガ『何かが……起ころうとしている?』 マン『………そのようだ』 空を見上げて呟くウルトラマン 彼の言う通り、 ただならぬ何かが今まさに起きようとしていた …………………………………… …………………………………… ~インキュベーター母艦~ 杏子「さってと……マミ、そろそろ脱出したほうがいいんじゃないか?」 ほむら「そうね。ヤプールが死んでこの艦は実質私達以外は誰も乗って無いみたいだし……あとは彼らに任せましょう」 グリーフシードで完全回復した一同 立ち上がった杏子がマミに提案し、ほむらもそれに同意する 彼女達の役目には艦の無力化も含まれていたが、 この艦内に彼女達以外の生物がいなくなってしまった以上、ここに残り続ける意味は無かった マミ「……鹿目さんに美樹さん、二人は大丈夫?」 まどか「あ、はい!わたしは大丈夫です!……さやかちゃんもう立てる?」 さやか「ん~……もう大丈夫だと思うけど」 さやかは傷口のあった箇所を擦り、 まどかに肩を借りながらゆっくりと立ち上がる ほむら「……それなら……マミ」 マミ「ええ、脱出しましょう。とりあえず私が先導するからあなた達は―――」 ゴゴゴゴゴ…… マミ「……!?」 突然の事態に一同の表情に焦りの色が浮かぶ 艦内に設置された用途の解らない大量の危機が一斉に火を噴き爆発を起こす 強烈な揺れとともに壁や天井に亀裂が入り、 次々に瓦礫となって広い室内に雨のように降り注ぐ インキュベーターの母艦は、 破壊工作と内部での激しい戦闘によって崩壊を始めていた ほむら「崩れる……!」 杏子「おいおい!ここで死んじまったらしゃれにならねーぞ!?」 マミ「二人とも!急いでこっちに!」 まどか「はい!ほらさやかちゃん、行こう!」グイッ さやか「ご、ごめんまどか、ほんともう少しで治るから」 マミに呼ばれ、 まどかがさやかの体を支えながら三人の元へ向かう ドゴゴゴ……! 杏子「うわっ!?ゆ、床が抜けたぞ!!」 ほむら「二人とも!気をつけ………」 ほむら「………?」 ほむら「……マミ、この広間の下にある部屋って何?」 マミ「?……この下?」 床が崩れ、目の前に巨大な穴が開く ほむらはまどかとさやかの到着を待ちながらその穴を見つめ、 顔を真っ青にしながらマミに質問する マミ「確かここが機関部手前だからこの下の部屋はわけのわからない機械がたくさん―――」 ほむらの問いに答えながら、 一緒になって床の穴から下を見下ろすマミ そこには異星の機械がひしめき合い、 騒々しい音を鳴り響かせる大きな部屋がある はずだった マミ「え……?」 ほむらの横に立ち、 穴を見下ろしたまま思考が止まるマミ マミ「な、なによ…………これ」 ほむら「………」 二人が見下ろした穴の先 そこに見えるのは巨大な機械でもなく、 雲や地上でもない そこには何も無い ただ闇だけの不気味な空間が深く、どこまでも広がっていた ほむら「………」ゾクッ 周囲から飛んでくる爆発や瓦礫の崩れる音も、 その穴からは聞こえない 光も、音も、生き物の気配すらも感じない空間 その奥深くから漂ってくるものは 絶望、怨念、殺意 それらを含めたありとあらゆる負の感情が風のように吹き出してくる ほむらは目の前の異様な空間を見つめ、 言いようのない恐怖を感じる ドゴン! まどか「きゃあ!?」 さやか「う、嘘ぉ!?」 ほむら「!!」 咄嗟に顔を上げるほむら 床が豪快に崩れ落ち、 まどかとさやかは先の見えない闇の空間へと落ちてゆく ほむら「なっ!?」 杏子「マミ!リボンであの二人を!!」 マミ「! わ、わかってる!!」 杏子の声を聞きて、 思考の止まっていたマミが我に返り、落ちた二人に向かってリボンを伸ばそうとする ドゴン! ほむら「!」 マミ「あっ!!」 杏子「うっ!?ま、マジかよ……!!」 しかし足を踏ん張ろうとした途端に床が崩れ落ち、 魔法少女達は三人はさやかとまどかの後を追うような形で穴へと落ちる ほむら(死……ぬ?) ほむら「そんな……嫌よ……ここまで来て……!」 底の見えない、 何処へ繋がっているとも分からない穴に落ちながら ほむらは頭の中に浮かぶ自身が考え得る最悪の結末を必死に振り払う しかしそれは焼き付いたように何度もほむらの思考を支配し、 彼女を絶望へと誘い続ける …………………………………… …………………………………… ~見滝原~ ティガ『どう……なってるんだ?』 メビウス『わ、分かりません……僕達の想像を超えた何かが……』 空を見上げたままうろたえる巨人達 その視線の先にあるはずのインキュベーターの母艦は、 先程発生した黒い瘴気の中に消えたかと思うと まるで霧のように巨大な穴の向こうへと飲み込まれていた ダイナ『なんなんだよ!あの穴は!?』 マン『……ゾフィー』 ゾフィー『皆目見当がつかん……あれほどの質量を持った宇宙船がどこへ―――』 バシュン! ゾフィー『!!』 セブン『避けろ!!』 ドガァン!! エース『くっ……!やはりまだ敵が残っていたのか!!』 ダイナ『お返しだ!喰らえ!!』 バシュゥウウ!! 突然穴の向こうから真っ黒に染まった光弾が飛来し、 着弾と同時に黒い粒子を撒き散らす 巨人達はそれをギリギリのところで回避 そこから弾かれた様に飛び出したダイナとエースの二人が、 穴に向かって光線を放つ しかし… シュゥウン… エース『なにっ!?』 ダイナ『き……消えた?』 放たれたソルジェント光線とメタリウム光線は穴に到達する直前、 黒い瘴気に取り込まれるようにして消滅する ジャック『吸収されたのか……?』 ティガ『というより……あの瘴気に阻まれてかき消されたみたいですね』 ガイア『……ただあの穴に飛び込んだらさっきの光線みたいに消滅させられてしまうかも……』 フシュゥゥウ コスモス『!?』 穴から突然溢れ出した瘴気が暗雲が立ち込めていた灰色の空を完全に黒一色に染め上げる ネクサス『ダークフィールド?………いや、違うな』 メビウス『……まどかちゃん達は無事なのか…?』 マン『……ぐぅっ!?』 セブン『! ウルトラマン、どうした!?』 魔法少女の無事を祈りながら、 空に出現した穴に向かって構えを取り警戒し続けるなか ウルトラマンが突然胸を抑え、大地に膝を着く ジャック『!! まさか……』 ゾフィー『不味いな、どうやらこの瘴気……光線だけではなく我々のエネルギーをも吸収しているようだ』 セブン『な、なんだと!?』 カラータイマーの点滅が少しづつ早まり、 周囲の瘴気は少しづつ濃さを増し、広がり続ける コスモス『そんな!このままじゃ……』 ティガ『……とにかくあのままじゃ闇はこの地球全体を包みかねない』 マン『……ああ、あれを食い止めるぞ!!』 力強く立ち上がり、 十一人の巨人は空に出現した穴を睨みつける …………………………………… …………………………………… 『絶望し、消えていった魔法少女達の力よ……』 『インキュベーターによって全宇宙から集められたエネルギーよ……』 『そして……鹿目まどかの絶望よ……!!』 『我が血肉となり今一度蘇えるのだ!!』 …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… 「………ら……ちゃ……」 「……ほ……ちゃんっ!」 ほむら「ぅ……う…」 「ほむらちゃんっ!!」 ほむら「はっ!?………」 まどか「ほむらちゃん!……よかったぁ気がついたんだね!」 心配そうにほむらの顔を覗き込む桃色の髪の少女 まどかに体を揺さぶられ、 気絶していたほむらの意識が戻る ほむら「……ここはどこ?みんなは?」グッ 全身に走る鈍い痛みを堪えながらゆっくりと体を起こし、 硬い表情のまま辺りを見回す そして最初に視界に入ったのはマミの姿 マミ「あら、お目覚めみたいね暁美さん。体は大丈夫?」 ほむら「平気よこのくらい……それより……」 ほむらはマミの言葉を軽く流すと、 真っ先に感じていた疑問を投げかける ほむら「ここは……見滝原………なの?」 マミ「そう思いたいけど……」 悲惨なまでに破壊し尽くされ荒廃してはいるが、 どことなく見覚えのある風景 彼女達の暮らす町、見滝原 だが回りは夜の闇のように暗く 空を見上げても先程超獣達と戦っていた頃のように暗雲が立ち込める灰色の空ではなく 赤、青、黄、緑 あらゆる色の絵具を水にぶちまけたような酷く不安になる空の色だった まどか「戻って来れたってことかな……?」 マミ「まさか!あの高さから落ちてこれだけの傷で済むわけがないわ!」 ほむら「ええ、それに……」 マミの言葉に頷きながら再び周囲を見回すほむら そこには自分達の帰りを待ち続けているはずの仲間達の姿はおろか、 気配すらも感じない ほむら「……ウルトラマン達がいないわ」 まどか「……だよね」 いくら見回しても巨人達の姿は見えず、 それどころかあれだけいた超獣達の死体、肉片すらも一つたりとも見当たらない マミ「参ったわね……一体何が何だか」 タッタッタッタッ… 杏子「おぉーい!!」 さやか「みんなー!見て来たよー!!」 マミ「! 二人が帰ってきたみたいね」 半分以上が崩壊した巨大なビルの陰から、 杏子とさやかが手を振り、叫びながら仲間達の元へと帰って来る ほむら「……とりあえずお帰りなさい」 杏子「おっ、ほむら!目が覚めたみたいだな」 さやか「心配したんだよー?まどかがいくら呼んでもなかなか起きないし……」 マミ「佐倉さん美樹さんお疲れ様、どうだった?」 帰って来て早々にほむらを気遣う二人 マミは表情を変えず、二人に問いかける 杏子「! あ、ああ……とりあえずこの町ざっと見回して来たけど……ここ見滝原で間違いないと思うぜ?」 さやか「あたしもそう思います……だって学校もあたしの家も壊されちゃってるけどしっかり残ってたし……」 マミ「はぁ……やっぱり……」 マミが大きくため息を吐きながら腕を組み、考え込む その間にも二人の発言は続く 杏子「それとさ!とにかく誰かいないか確かめるためにこの町から出ようと思ったんだけどさ……」 さやか「なんというか……無いんです」 マミ「無い?どういうこと?」 杏子「どういう意味ったって……なぁ?」 さやか「うん……町外れまで行ったらそこから先が真っ暗で……まるで最初から何も無いみたいで……」 マミ「?……じゃあここは一体どこなのかしら……」 ほむら「……わけがわからないわ」 二人の妙な発言に、 マミとほむらの頭の中はますます状況が呑み込めず混乱する しかしそこに意見をする者が一人 まどか「あの……もしかしてここってわたし達がいた所とは別の世界なんじゃ……」 マミ「別の?ま、ますますわけがわからなく……」 杏子「……さやか、解かるか?」 さやか「さっぱり」 頭を抱える三人に変わり、ほむらがまどかの話を聞く ほむら「別次元の世界ということ?」 まどか「うん、わたしってさ……一度ヤプールに攫われちゃったでしょ?」 ほむら「……ええ」 まどか「その時に連れて行かれた空間になんとなく感じが似てるかな~って……」 ほむら「例えばどんなとこが似てると思う?」 まどか「ん~……空のあの変な色とか、この纏わりつくような空気とか……」 別次元の空間 誰一人としてまともな考えが浮かばない中で出たまどかの予想 唯一その世界を体験してきた者の発言はどことなく真実味を帯びて、 一同の心に入り込む 杏子「でもアタシ達あいつを倒したんだろ?」 マミ「そのはずだけど……こんなこと出来るのはヤプール以外にいるとは思えないし……」 さやか「……ちょ、ちょっと待って!じゃああたし達はどうやったら帰れるの!?」 ほむら「それは……」 まどか「………」 全く原因が見えてこないこの不気味な状況に、 さやかだけではなく魔法少女全員が同じ不安を感じていた マミ「……とにかくもう一度周囲を捜索してみましょう」 杏子「だな。ここでじっとしててもどうにかなるとは思えな――――」 ドガァァアアン!!! ???『その必要は無い。お前達は全員ここで殺されるのだからな』 突如として歪んだ空から一筋の閃光が町の中心部に直撃 凄まじい大爆発とともに、 風圧で舞い上がる土煙と不気味な黒い粒子 その光の筋は少しずつ太さを増してゆき、 まるで山のような大きさの一本の大樹に似た姿を形成 それとともに崩壊した町中に響き渡る少女達にとって聞き覚えのある声 ???『どうだこの空間は?貴様達にふさわしい死に場所を私が作り出してやったのだ』 まどか「この声……ヤプール!!」 さやか「やっぱりまだ生きてたんだ!!」 少女達が驚き戸惑いながらも悔しさを露わにし、 拳を握り締める ???『ふ、ふふふ………どうだ!見ろ!!』 ???『素晴らしい!まさかこれほどとは!!私の想像を遥かに上回っていたぞ……!!』 恍惚に満ちた声を上げながら、 大樹の姿は少しずつ、それでいて大胆に変化していく マミ「Uキラーザウルス………いえ、それ以上ね」 杏子「くそ……化物が」 ほむら「………!!!!」 武器を構えながらも悪態を吐く魔法少女達の前で、 異常な変化は続く 大樹の根元からはドーム状に次々に根が生え広がり 少女達が見上げる遥か上空、 大樹の先には人の上半身のようなものが出現する 例えるならその姿は人々に救済を与える女神の姿そのもの マミ「あの姿……魔女?」 ほむら「あ……ぁあああ……」ドサッ 杏子「……ん?」 まどか「ほむらちゃん……?」 突然ほむらの表情が絶望に染まり、 銃を落とし、力が抜けたようにその場にへたり込む それを見た一同が警戒をしながらもほむらに駆け寄る さやか「ちょっとほむら!どうしちゃったの!?」 杏子「おいおい…!いまさらビビっちまったなんて言わないよな!?」 少し戸惑いながらもほむらの顔を覗き込み、問いかける二人 しかし返ってきたのは思いもよらない言葉 ほむら「あれには………誰も勝てない……!」 杏子「はぁ……?」 さやか「ほむら!?あんた何馬鹿なこといってんの!!」 その言葉に杏子は眉を顰め、 さやかは声を荒げてほむらに詰め寄る しかしほむらは恐怖と絶望に満ちた表情のまま魔女を虚ろな瞳のまま見つめ、 呆然としたまま動かない まどか「ほむらちゃん……一体どうしたの?」 マミ「暁美さん、まだ諦めるわけにはいかないわよ。私達はまだ戦えるわ」 ほむら「わ、解らないの…!?あれは戦ってどうにかなる相手じゃないのよ……!!」 まどかとマミはほむらを何とか落ち着かせようとするが、 彼女は両手で自身の体を抱き、ただただ震える さやか「ふざけないでよ!なんであんたが真っ先に絶望して……」 杏子「待てさやか!」 ほむらに掴みかかろうとしたさやかを手で制し、 杏子は落ち着いた声音でほむらに語りかける 杏子「その怯えた様子……ほむら、あんたアイツを知ってるのか?」 ほむら「………」 まどか「……?」 杏子にそう言われた途端 ほむらは一瞬だけまどかの顔を見つめて、 ゆっくりと口を開く ゴキゴキゴキッ…… さやか「うっ…!?」 マミ「な、何?!」 杏子「ちっ……」 骨を砕き、皮膚を突き破るような不快な音 それに反応した三人が振り返り、 警戒しながら巨大な魔女の姿を見上げる ほむら「ひっ……!!」 まどか「ほむらちゃん………」 ほむらは恐怖の表情のまま頭を抱えて蹲る そこには先程まで力強く戦い続けていた少女の姿はどこにもなく、 ほむらは目に涙を溜め、弱々しい声を上げて怯え続けるのみ ???『ぐふふふふ……これこそ私が求めていたもの!全てを飲み込まんばかりの圧倒的な力!!』 ゴキッ 杏子「!! お、おい見ろ!」 マミ「あれは……?」 少しずつ盛り上がる様に形を変える女神の胸部、 それは次第に魔法少女達にとって見覚えのあるもの ヤプールの顔面の形を作り出す さやか「うわ……ヤプールの顔だ」 杏子「あの野郎……怨念だけになっても生き続けるってか?」 ???『さぁて……まずはここにいる虫ケラどもでこの力を試すとするか……』 ドゴゴゴゴ…… 湧き出してきた真っ黒な瘴気に包まれ、 巨大な魔女の姿は薄れてゆく それにともない魔女は下半身の根の部分を触手のように動かし、 周囲の建物や地面を軽々と貫き、その力を見せつける 杏子「ちくしょう……像に挑む蟻の心境だぜ……」 マミ「……近くにいるだけで……殺されてしまいそうね」 さやか「あんなのホントに勝てるの……?」 少しずつ力を解放し始める魔女に対し、 強気だった少女達も不安の色を隠せない ほむら「…ぁ……」 まどか「ほむらちゃん教えて!あれは何なの!?」 ほむら「あ、あれは………」 ほむら「世界の……終焉」 ???『我ら異次元人は闇より生まれ、全てを暗黒へと染める……』 数多の因果の糸が絡み付いた最強の魔法少女 そのエネルギーを完全に取り込んだヤプールにより、 救済の魔女は全てを飲み込む破壊の悪魔へと姿を変える ???『ウルトラ兄弟……そして魔法少女……』 その悪魔が今、 圧倒的な悪意と怨念 絶望を引きつれて 魔法少女を 世界を 全宇宙を飲み込むべく動き始める クリームヒルト『……ここで死ぬのだ!!!』 BACKまどか「…ウルトラマン!」 18 NEXT まどか「…ウルトラマン!」 20
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21日目以降杏子が参戦するので序盤で謎結界ようにスキル拡張するならスキルブック温存推奨です。 ただ道中落ちてるものしかないようなので結界内に落ちてるのをランダムで集める形となりだいぶ面倒です。 -- 2012-03-21 23 02 07 3日目、「さやかにまどかを守らせる」を選ぶと さやかの因果値が20か30上がった気がするんだけど…記憶違い? -- 2012-04-04 18 18 45 ↑確認したが上がらんよ 他と勘違いしてないかい -- 2012-04-04 18 42 55 ↑わざわざ確認ありがとう。すまないな じゃあやっぱ違うのかな…他の「さやからしいな」と思った選択肢(結果)が 「仇を討ちたくないのか」だからこっちと勘違いしてたのかもしれない。 ある意味煽るだけで20も上がるんだから… -- 2012-04-05 02 00 52 くそう・・・ どうしてもさやかのソウルジェムが真っ黒になっちまう・・ 一番好きなキャラなのに、ちくしょう( _ ) -- 2012-04-15 00 17 52 ↑最初のうちは必ずなる 因果値溜まってくると無茶しない限り大丈夫 -- 2012-04-16 17 31 48 16日目のイベント、スティンガー使ったら使い魔に追いつけたんだけど、ダメージ入らなかった…(数値&ゲージ表示されず) まあそうだろうなと思ってたけど…なんか寂しい…w -- 2012-05-10 02 38 47 回復アイテム使えるとか知らんかって、クリアするのに21日までを4周した -- 2012-05-13 20 27 03 今ポータブルやって確認しましたが、ほむらが遅れていました!!まどかが魔法少女に・・・可愛い///← -- 2012-07-04 19 28 04 へぇ今から始める人もいるんだな -- 2012-07-05 23 31 45 なんというタイミング(つい昨日始めた人) -- 2012-07-06 11 47 16 確かに3日目の選択肢で上がりましたね。 一週目で隠しQボタンを全然押さなかった、ぐらいしか条件が判りませんが -- 2012-07-22 10 05 38 映画見てゲーム衝動買いって感じだな俺は。 これさやか常に真っ黒くろすけじゃね? -- 2012-10-22 10 11 47 ↑因果値上がるとピカピカのままクリアできる -- 2012-10-23 00 53 52 ↑マジか -- 2012-11-29 17 10 12 iuk44cqmそれが今となってはただ一つ残された ミチシルベ -- 2012-12-04 23 26 24 謎結界全クリア後に強化ポイントをさやかにつぎ込んだら余裕余裕。杏子の見てらんねーというセリフが虚しいw -- 2012-12-30 22 49 41 実は昨日から始めたあたしはいったい・・ -- 2013-01-12 14 25 08 実は今日からはじめた俺って・・・・ -- 2013-02-14 18 06 54 今日からはじめたが、仲間がいて安心した -- 2013-02-16 08 01 42 仲間が居たよ 俺も1人じゃなかった もう何も怖くない! -- 2013-02-16 20 01 50 俺も今日からはじめたよ! -- 2013-02-19 00 46 52 俺も -- 2013-02-19 17 08 30 ネタバレ先に見ちゃった俺って… -- 2013-02-20 21 30 14 実は今日から始めた。とりあえずお菓子の魔女はこのwikiのおかげでいけそう。 -- 2013-03-05 19 59 05 影の魔女強かったょー! -- 2013-03-08 18 08 55 マミルートって、どうやったらいけるの? -- 2013-03-16 20 17 45 まどかルート終わったけれど、次いけないっ!? -- 2013-03-16 20 19 00 ↑分かるっ! -- 2013-03-16 20 19 36 おととい始めたんだがやっぱいないよなおれぐらいしか -- 2013-04-20 21 35 39 今日から始めました(笑) -- 2013-05-02 23 40 18 今日から初めた(笑) -- 2013-05-11 05 30 41 今日からはじめました(笑) -- 2013-06-09 17 31 53 今日からはじめました(笑) -- 2013-06-25 02 26 51 データ消して一からやり直しする俺 -- 2013-07-06 20 24 01 今日からはじめました(笑) -- 2013-07-21 10 39 11 影の魔女戦に突入した瞬間フリーズしたし 泣 -- 2013-07-24 01 18 24 まどかシナリオ短くねっ!? -- 2013-08-29 13 37 19 ↑自分は長いと思った。やっぱり番外編ばっかりやってたからか -- 2013-09-07 19 56 13 これ正エンドだったんですね…分岐失敗したかと思ってました -- 2013-09-18 00 21 29 まどかが魔法少女になるのは確定なのか。契約回避ルートがあると思って何回も最初からやり直してたわ -- 2013-09-29 10 49 44 拙者は何度か中途でゲームオーバーの際にドロップアウト(ギブアップ選択)実施 その末に同ルート制覇したでござるよ 因みに謎の魔女結界1「喜悦の魔女(ボス 薔薇園の魔女)」をクリアしまくり多くの感情エネルギーをため込んだり あと一度クリアしたまどかルートを再度プレイしまくりつつまどか・さやか両氏の因果値を1000台にまで蓄積し続けたのは内緒でござる -- 2013-09-30 17 05 38 遅刻って辺りがなんていうか酷い。以降のシナリオでも似たようなちょっと無理やりっぽい帳尻あわせ有り。 -- 2013-12-16 20 52 08 さやかが魔女にならなくて、ほっとした。まあだいぶ、追い詰められてはいたけど。 -- 2014-02-03 00 26 27 ↑↑遅刻した経験があったからこそ本筋で間に合った可能性あるしあれだってなんとか阻止出来てたし素はメガほむなんだからドジっ子が発動したのかもしれないしまぁその解釈は愛が足りないよ -- 2014-02-04 15 18 10 初回的な話だけど、感情値って清算していいんだよね。このあとのマミ戦とかで影響するのかな -- 2014-03-02 18 52 57 するよー!!したほうがいいよ。しなかったらただの損になるからね。清算しても、データーは削除しない限り引き続かれる -- 2014-03-03 16 55 56
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他の人物との関係対 暁美ほむら 対 巴マミ 対 美樹さやか 対 キュゥべえ 対 佐倉杏子 魔法少女に対する考え まどかのソウルジェムが計り知れない程の大きさになるのは何故か? まどかは結局魔法少女になるのか? まどかの願い事の力に関する考察 [部分編集] 他の人物との関係 対 暁美ほむら 「ほむらちゃん、本当に悪い子・・・なのかな?」 「ほむらちゃんは、マミさんとはまた違った意味で、ベテラン、という感じだよね」(4話) ほむらにさやかの保護を依頼(5話) ほむらが激情を吐露(8話) 最初はマミさんに言われたとおりほむらは悪人だと考えていたようだが、のちにその認識を改める事になる。8話では、ほむらが自分をずっと守ろうとしていた事を告げられるが、突然の事に戸惑ったようだ。 対 巴マミ マミさんと一緒に戦う、という約束を守れなかった事で自分を責めている(4話) 対 美樹さやか 「思い込みが激しくて、意地っ張りで、けっこうすぐ人とケンカして、でもすっごいいい子なの、やさしくて勇気があって、誰かの為と思ったら頑張り過ぎちゃって・・・」(5話) 昔からの親友であり、8話では行方不明になったさやかを探し回り、最後にはさやかを救う為に契約に踏み切ろうとまでした 対 キュゥべえ 「お願いキュゥべえ、止めさせて」(5話、さやかと杏子が戦っているのを見て) 「何言ってるのよキュゥべえ、助けてよ、さやかちゃんを死なせないで!!」(6話) 契約ばかり迫ってくるキュゥべえを疑うこと無く、何かとキュゥべえに助けを求めている。 少なくとも6話の時まではキュゥべえは頼りになると考えていたようだ。 「あなたを恨んだら、さやかちゃんを元に戻してくれる?」(8話、キュゥべえに「僕を恨んでいるのかい」と聞かれて) 8話の時点では、キュゥべえに対する静かな怒りが垣間見える。 まどかが僅かでも怒りを込めた言葉を言うのはこれくらい。しかし、 「ひ、酷いよ。何も殺さなくても…!」(8話、キュゥべえを目の前で銃殺されて) と言う辺りもまた彼女らしい。 対 佐倉杏子 魔女を倒したいという気持ちは同じのはずだから、話し合えば何とか折り合いがつけられるはずだと考えている(6話) [部分編集] 魔法少女に対する考え まず衣装を考えるなどのファンシーさ(2話) 魔法少女にさえなれれば、何の取り柄もない自分を変えられると考えていた(3話) が、命の危険を思い知らされ、魔法少女になる事を諦める(4話) が、友達を助けるためなら、つい契約しそうになる(5話) 魔法少女の真実の姿を知っても、友達を救うために再び契約を試みる(8話) まどかのソウルジェムが計り知れない程の大きさになるのは何故か? 推測:誰よりも強い『願い』『純粋な心』を持っているから。魔法少女の強さが、願いの奇跡の強さに相関することより(2話)。 推測:マミさんはまどかのおかげで3話の戦闘に希望を持って臨めた。杏子は9話で、ソウルジェムが砕けたけれど、それはグリーフシードにならなかった(絶望しなかった)ということでもあるのでは?(推測) さやかの場合は逆に追い詰められて魔女化を早めてしまったようだけど、まどかはそれであきらめていない。ほむらは、彼女だけは絶望させまいと、それだけを希望としているかのよう。 彼女が無自覚に支えている希望。支えようとする姿勢。それがソウルジェムの大きさかもしれない。 推測:希望と絶望の相転移が効率の良いエネルギー発生の条件(9話)なら、絶望を希望にできてもエネルギーは発生しそう。杏子のやろうとしたことは案外イイ線いってたのかもしれない? グリーフシードが浄化できたら、永久機関が作れそう。 事実:契約時に背負っている因果の量で決まる。ほむらの時間遡行により、複数の平行世界の因果線が、今のまどかに連結されてしまった(11話 キュゥべえ台詞)。 まどかは結局魔法少女になるのか? メガミマガジン3月号の虚淵インタビュー 「まどかは状況に振り回され続けるが、ある一点に関してだけはNOと言い続ける」 「魔法少女になるかの選択をするまでの物語」 「スポンサーありきの企画だったら、第一話で変身させないとぶん殴られる所だけど、せっかくそういう形じゃない作品なので、こういう時に出来る事は何でもやっちゃおう」 NOと言い続けるある一点とは「諦めること」?「願いで奇跡を起こすこと」?「魔法少女になること」?・・・ しかし後者2つに関しては、未遂に終わるものの一時でも契約を決意した事により当てはまらなくなる。 推測:有りうるのは、「友達(特にさやか)を見捨てること」だろうか。 事実:希望を持つことが間違いだと言われたら、それは違うと何度でも言い返せる(12話 まどか台詞)。 仮説:最後に魔法少女になり、計り知れない程の大きさのソウルジェムをもって戦う ◯まどかが立った! ×あと数話でまどかが急に強くなれるもんか・・・ 仮説:まどかは魔法・魔法少女の消滅を願って契約を結ぶ ◯QBの力を逆手に取るので、カタルシスを得られる。戦わないので、弱いまどかでもできる。 仮説:まどかは魔法少女にならない ◯魔法少女ものとしてはめったにない結末ではある ◯最終回、友達や家族が死んだ受け入れがたい現実を前に、「現実を覆す/やり直す」という奇跡に頼らず、「現実を受け入れる、将来に禍根は残さない」という勇気ある選択をするという成長物語 まどかの願い事の力に関する考察 事実: 「全ての魔女を、生まれる前に消し去りたい。全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女を、この手で」 「今の私にはね、過去と未来の全てが見えるの。かつてあった宇宙も、いつかあり得るかもしれない宇宙も、みんな」 仮説: 脚本に「あらゆる時間、あらゆる平行世界」に影響を及ぼすとかかれても あらゆるにはすべて、無限ほどの範囲制限はないでそこから漏れるパラレルワールド があっても問題はない。 パラレルワールドの性質上、P世界(パラレル)は無限に存在すると仮定できる。 又、その中には願い事が違うまどか神も必ず存在する事になる。 同じ力を持つ神が複数いるならおのずと結果は決まってくる。 この事から、本編まどか神の影響職は「まどかが認識できた範囲に絞られる」 と仮定できる。 よって、これから先に出てくるコンシューマゲームやオンラインゲーム、 二次創作などの世界には本編まどか神の影響がなくても不都合ではない あらゆる・・・ありうる限りの。すべての。小学館国語辞典より 仮説: